公開:2024.04.22 更新:2024.12.03
高気密高断熱な住宅のデメリットとは?後悔しない家づくりのポイントを解説
せっかく家を建てるなら「夏は涼しく、冬は暖かい家にしたい」と考える方は多いでしょう。
近年では、断熱性や気密性などの快適性を重視した家づくりを進める人も増えています。
しかし、高断熱なだけでは一年を通して快適な家は実現できず、気密性の高さも確保してはじめて、本当に快適な家になります。
この記事では、高気密高断熱な家とはどのような家なのか、メリットとデメリットをまとめました。
デメリットをカバーする方法や、高気密高断熱な家づくりによくある質問にも回答しています。
高気密高断熱な家を建てる際のポイントも紹介しているので、マイホームの性能を重視したい方は、ぜひ参考にしてください。

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目次
高気密高断熱な家とは
高気密高断熱な家とは、外気からの熱や冷気の侵入を最小限に抑え、室内の温度や湿度を一定に保てる住宅のことを指します。
気密性と断熱性の特徴は下表のとおりです。
気密性 |
|
断熱性 |
|
例えば、フリースやセーターは隙間が多く、風を通しやすいです。
住宅も同様で、壁の内部や床下など、風が通りやすい場所に隙間がたくさんあると、外気が室内に侵入しやすくなってしまいます。
隙間をできる限りなくすために、断熱材や気密テープなどを用いて隙間を埋め、高気密状態を作りだすのです。
気密性が高い状態では、暖冷房で快適な温度にした室内の空気を外に逃がしにくくなるため、室内の温度も一定に保ちやすくなります。
また、断熱性は、断熱材を壁や床下などに詰めることで高められます。
ただし、断熱性だけが高くても、気密性が低ければ冷暖房が効きにくくなるので、快適な家の実現には双方の性能を高める必要があるのです。
気密性の詳細と重要性については、下記の記事も参考にしてください。
【関連記事】住宅における気密性の本当の重要性とは?快適な家づくりのヒントを解説
東海地方で高気密高断熱な家は必要なのか
結論としては、東海地方でも高気密高断熱な家は必要です。
東海地方は年間を通じて比較的温暖な気候ですが、暖房をまったく使わないわけではありません。
夏はもちろん冷房が必須です。
そのため、エリアを問わず、高気密高断熱な家であるのがベストです。
高気密高断熱な住宅にすることで、一年を通して快適に過ごせるようになり、光熱費も抑えられます。
どこに住むにしても、高気密高断熱で快適な家を目指すのがおすすめです。
高気密高断熱な家のメリット
高気密高断熱な家を建てるメリットには、大きく以下の4つが挙げられます。
- 光熱費を抑えられる
- 一年を通して快適な室内環境を維持できる
- 室内温度の変化が少ない
- 遮音性や防音性が高まる
メリット①:光熱費を抑えられる
高気密高断熱な家は冷暖房が効きやすく、効果的に室内を快適な温度にできるため、光熱費を抑えられます。
断熱性能が高ければ冬場でも室内の温度を一定に保ちやすいだけでなく、夏場も外気の遮断が可能です。
気密性が低いと外気が入り込みやすく、室内の空気循環を促すことにつながり、室温を一定に保ちづらくなります。
そのため、外気温が極端に高かったり低かったりすると、余計に電気を使用してしまいます。
しかし、高気密高断熱な家であれば、冷暖房を最低限しか使用しなくて済むので、光熱費を抑えられるのです。
メリット②:一年を通して快適な室内環境を維持できる
高気密高断熱な家は外気の影響を受けにくいため、一年を通して快適な室内環境を維持しやすいです。
夏は涼しく冬は暖かく感じられます。
気密性の高さと適切な換気システムにより、冷やしたり暖めたりした空気と外気をうまく循環させられるので、室内の空気が淀むようなこともありません。
一年を通して室内環境を適温に維持できると、お家時間をよりゆったりと過ごせるでしょう。
メリット③:室内温度の変化が少ない
高気密高断熱な家では室内の温度変化が少ないため、以下のケースから抱く不快感を軽減できます。
- 夏場の2階に暖気が集まる
- 冬場の廊下や洗面台、お風呂が極端に寒い
特に冬場においては、急激な温度変化によって血圧が急に上下することによって生じるヒートショックに気をつけなければなりません。
外気の影響を受けにくい断熱性が高い家なら、暖房がついている部屋とついていない部屋の温度差が少ないため、ヒートショックのリスクを軽減できます。
ヒートショックは不整脈や心筋梗塞などの重篤な症状を引き起こす危険性があるので、室内温度の上下はできる限り抑えることが重要です。
メリット④:遮音性や防音性が高まる
高気密高断熱な家にすることで、遮音性や防音性も高められる点もメリットの一つです。
気密性の高さは家の隙間が少ないことに直結するため、外の音が聞こえにくくなるだけでなく、室内で音を立てても外に響きづらくなります。
子育て世帯やペットを飼っている家族など、周りに迷惑をかけるのを避けたい場合は、高気密高断熱な家づくりがおすすめです。
快適な室温で暮らせるのはもちろん、音に関するトラブルや悩みを軽減できるため、高気密高断熱な家にする価値・メリットは大きいといえます。
高気密高断熱な家のデメリット
高気密高断熱な家には、以下4つのデメリットもあるため注意が必要です。
- 室内が乾燥しやすい
- 内部結露とカビが発生し得る
- シックハウス症候群になる可能性がある
- 建築費用が高くなる場合もある
デメリット①:室内が乾燥しやすい
気密性を高めると外からの湿気の流入が減るため、室内が乾燥しやすいです。
特に、冬場は暖房を使うため、乾燥に拍車がかかります。
そのため、高気密高断熱な家づくりにおいては、熱交換換気システム(温度を一定に保ちながら換気ができる機械)の導入がおすすめです。
この点、換気システムの導入は義務化されているので、極度に心配する必要はありません。
デメリット②:内部結露とカビが発生し得る
高気密高断熱な家は外気の侵入を抑える一方で、湿気も外部へ排出しにくいです。
そのため、暖かい空気が入ってくると湿気がたまり、内部結露やカビの発生リスクが高まります。
梅雨をはじめとする湿気の多い季節や湿度管理が不十分な場合には、特に注意が必要です。
結露やカビの発生リスクを軽減するためには、先ほどと同様に適切な換気が欠かせません。
湿気を排出することで、結露を防げます。
2003年の建築基準法の改正で、住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、気密性と断熱性のバランスが取れていないとうまく機能しません。
そのため、断熱材に隙間を作らないなど、高品質な施工技術はもちろん、施工時の適切な処置も大切です。
工務店を比較する際は、施工技術の高さも含めて慎重に検討しましょう。
デメリット③:シックハウス症候群になる可能性がある
高気密高断熱な家を建てた場合、空気の循環が適切に行われないとシックハウス症候群になる可能性があります。
シックハウス症候群とは、建築時に使用された建材や接着剤、塗料などから生み出される化学物質やカビ等を吸い込むことで発症する病気のことです。
シックハウス症候群になると、頭痛や吐き気、目がチカチカするなどの症状が出る場合があります。
この点も、24時間換気システムの義務化によって改善傾向にあり、建材の品質も向上しているので、シックハウス症候群になるリスクは下がっている状況です。
高気密高断熱な家づくりには、適切な換気システムの導入が欠かせません。
デメリット④:建築費用が高くなる場合もある
高気密高断熱な家を建てるにあたって、高性能な断熱材や気密性を確保するための材料・工法が欠かせません。
その結果、通常の住宅に比べて建築費用が高くなる場合もあるので注意が必要です。
この点、工務店によって高気密高断熱な家づくりを標準仕様としていることもあり、別途費用がかからないケースもあります。
住宅の快適性能を高める際に追加の費用がかかるかどうかは、見積もりを依頼する際などに確認しておきましょう。
高気密高断熱な家のデメリットをカバーする方法
高気密高断熱な家づくりをするにあたってデメリットになるのが、湿気がこもりやすくなったり、過度な換気により室内の空気が乾燥しすぎてしまったりする点です。
室内の空気環境を快適に保ち続けるために必要なのが、適切な換気システムの導入です。
住宅の換気システムには、以下のいずれかを採用するのが一般的とされています。
- 第一種換気システム:給気と排気のいずれも機械によって換気するシステム
- 第三種換気システム:排気のみ機械で行い、給気は自然に行うシステム
中でも、熱交換型の第一種換気システムを導入することで、湿気を多く含む内気を機械的に排出できるのはもちろん、給気の際には、より乾いた空気を取り込むことが可能に。
つまり、「第一種換気システム×高気密×高断熱」の3つを取り入れることで、室内の空気環境をよりクリアにできるのです。
以下の動画では、導入する換気システムの違いによって洗濯物の乾き具合がどのように異なるか検証しているので、気になる方はぜひご覧ください。
これからの家づくりに求められる断熱性能の基準
断熱性能は2022年に行われた住宅性能表示制度の改定により、最高等級を7とする7段階の基準で評価されます。
基準の改訂により、これまで最高等級とされていた断熱等級4が最低基準となり、省エネ住宅と呼ぶためには、より高い断熱性能が求められるようになりました。
2025年4月以降は、すべての新築住宅が断熱性能等級4に適合することが義務付けられる予定で、2030年以降は5等級への適合が義務化される予定です。
これから家づくりを進める方は、断熱性能等級5を目安にしたほうがよいでしょう。
断熱性能等級に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】断熱性能等級とは?4・5・6・7等級の違いと家づくりのポイントも解説
高気密高断熱な家づくりのポイント
高気密高断熱な家づくりのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 空気が循環しやすい間取りにする
- 窓にこだわる
- 施工品質の高い工務店を選ぶ
ポイント①:空気が循環しやすい間取りにする
高気密高断熱の住宅は空気が通りにくいため、窓を開けたときに空気が循環しやすいような間取りにするのがおすすめです。
先述したように、2003年から24時間換気システムの設置が義務付けられました。
これは、住宅の高気密化とも関係しており、化学物質によるシックハウス症候群やハウスダストへの対策が目的です。
しかし、24時間の換気システムがあるとはいえ、過信はしないようにしましょう。
高気密な住宅は空気が通りにくく、家を建てる際に用いられる塗料や接着剤などの化学物質が家の中に留まりやすいです。
これらは頭痛やめまいの原因にもなるので、窓を開けて換気することも大切です。
空気の循環のしやすさは場所や環境によっても異なるので、どのような間取りで、どこに窓を設置すれば空気がうまく循環するのか、工務店に相談するとよいでしょう。
もちろん、先ほど解説した第一種換気システムの導入も効果的です。
工務店によって採用している換気システムも異なるので、空気をどのように循環させるかは専門家からのアドバイスをもらいながら検討しましょう。
ポイント②:窓にこだわる
高気密高断熱な家を建てるにあたって、窓の選定は重要です。
窓は家の断熱性や快適性に大きな影響を与える要素の1つで、二重サッシや断熱効果の高いサッシを選ぶことで、外部からの熱や冷気の侵入を最小限に抑えられます。
また、夏の日差しをうまくカットできるものもあります。
特に、リビングに面した南向きの窓など、日差しの強い場所に用いるのが効果的です。
高気密・高断熱の効果を最大限に引き出すためには、場所によって窓も使い分けることが大切です。
適材適所のサッシを使用して、外部からの熱や冷気を遮断し、室内を快適に保ちましょう。
サッシを選ぶ際には、以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】5種類のサッシと特徴を解説!選ぶ際の3つのポイントもご紹介
ポイント③:施工品質の高い工務店を選ぶ
高気密高断熱の家を建てるためには、施工の経験や知識も必要です。
工務店の施工技術によって家の性能や品質に大きな違いが生じるため、気密性や断熱性の高い家を建てた実績のある工務店を選びましょう。
特に、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅に対応している工務店は、高い断熱性や気密性を持つ住宅を提供できる可能性が高いと考えられます。
ZEHとは、断熱性能が高く、室内の快適な環境を維持しつつ、省エネルギーを実現する住宅のことです。
また、気密性を表すC値は実測ができます。
カタログに掲載されている理論値ではなく、C値を実測して施工品質の高さを保証している工務店は、特に信頼できるでしょう。
高気密高断熱な家に関するよくある質問
ここでは、高気密高断熱な家に関してよくある質問に回答しました。
- 高気密高断熱な家にして後悔する人がいるのはなぜ?
- 気密性や断熱性の高さは数字で示せますか?
- 高気密高断熱な家は必要ないと言われる理由は?
高気密高断熱な家にして後悔する人がいるのはなぜ?
高気密高断熱な家を建てた際、一定数の人が後悔しているようです。
後悔する理由としては、以下のような点が考えられます。
- 窓が小さくなるから
- 思ったより暑い・寒いから
- 結露やカビが発生しやすくなるから
- 思ったよりもコストがかかるから
気密性を高めるために、開口部を小さくする可能性は否定できません。
しかし、先述したように、二重サッシや断熱・気密効果の高いサッシなどを選べば、大きな窓を設置することも可能です。
室温が思ったほど快適ではなかったり結露が発生したりするトラブルも、適切な換気システムの導入でカバーできるのはもちろん、施工品質が高ければ結露の発生も抑えられるでしょう。
気密性や断熱性の高さは数字で示せますか?
気密性は、C値(延べ床面積に占める隙間面積の合計の割合)で実測可能です。
C値は小さいほど気密性が高く、1.0以下(はがき半分程度の隙間)であれば、省エネ性の高い住宅と言われています。
断熱性能は具体的に測れる指標はないものの、先述したように、断熱性能等級による7段階の評価は可能です。
これから家づくりをするなら最低でも断熱性能等級4が必要で、将来的には5等級が最低水準として求められます。
高気密高断熱な家は必要ないと言われる理由は?
「高気密高断熱な家は不要である」などと言われることもありますが、その理由としては以下が挙げられます。
- 夏に暑さを感じたり冬に寒さを感じたりするケースがある
- 空気が滞留する感じがある
- 窓が小さい
- 窓を開ける生活をする
これらも先述したように、施工品質の低さが原因となっているケースが多いです。
適切な換気システムの導入と確かな施工技術による高気密高断熱な住宅を実現できれば、一年を通して快適な空間になります。
引き渡しを受けた住宅の品質の高低や、入居後の室内環境の感じ方は人によって異なるため、高気密高断熱な家が必要であるかどうかは、さまざまな情報をもとに総合的に判断しましょう。
まとめ:高気密高断熱な家を建てるならアサヒグローバルホーム
高気密高断熱な家を建てる際には、間取りや窓の選定、そして工務店の選択が重要です。
空気の循環を考慮した間取り設計や、断熱性能の高い窓の選定によって、快適で省エネルギーな住環境を実現できます。
高気密高断熱な家を建てるメリット・デメリットをおさらいしましょう。
メリット | デメリット |
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高気密高断熱な家づくりに関してはデメリットが注目されがちですが、経験豊富で信頼性の高い工務店を選べば、品質の高い住宅を建てられます。
本記事で紹介したポイントを押さえて、理想の住まいづくりを実現しましょう。
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