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公開:2022.06.17   更新:2023.03.13

二世帯住宅の間取りを成功に導く考え方とは?いつまでも円満に暮らせるポイントを解説

二世帯住宅の間取りを成功に導く

親世帯からの要望や子育てのサポート、予算の都合など、様々な理由から二世帯住宅を検討している方は多いのではないでしょうか。

二世帯住宅を検討するにあたって、親世帯・子世帯の全員が何の不安も持っていないというケースの方が少ないものです。
しかし、お互いのプライベートや希望を尊重できる間取りを考えれば、二世帯住宅成功に導くことができます。

二世帯住宅は、家族間でのトラブルさえなければ、お互いをサポートし合えるだけではなく税制面でも大きな優遇をうけられる、メリットの大きいライフスタイルです。

本記事では、二世帯住宅間取り成功に導くために必要なポイントを解説します。

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二世帯住宅の間取りは3種類

ひとくちに二世帯住宅と言っても、二世帯住宅には間取りによって大きく3つの種類に分けられます。

ここでは、二世帯住宅のそれぞれの間取りの種類による、メリット・デメリットを紹介します。

 

完全分離型

共有スペースを設けずに、各世帯でキッチン・風呂・トイレ・玄関などを設ける間取りが完全分離型です。

1階と2階の上下で区切る、左右で区切るなどの方法で各世帯を分離しますので、同居というよりはアパートやマンションの隣人といった距離感で生活ができます。

生活空間を完全に分離することができますので、プライベートを守ることができ、お互いに干渉し過ぎる心配はありません。
とはいえ、同じ家に暮らしているため、病気や仕事が忙しい時などに各世帯のサポートを受けやすい点がメリットです。

反面、建築費用が高額になってしまう点がデメリットとなるほか、どうしても子育て世帯の方が広いスペースが必要になるため、世帯間でスペースの格差が生まれてしまいます。

 

部分共有型

寝室やリビング・キッチンを別にして、トイレや玄関・風呂などの一部を共有するなど、共有する部分と専有する部分を明確に分ける間取りが部分共有型です。
  • 玄関のみ共有
  • 玄関・浴室のみ共有
  • 玄関・浴室・リビングを共有

上記のように、各世帯で優先したいプライベートゾーンを話し合って共有する部分を設定します。

一定のプライベートを守りつつ、完全分離型よりも建築費用を抑えられる点がメリットです。また、祖父母と孫が触れ合える時間も作りやすくなりますね。

ただし、完全にはプライベートを確保することができませんので、譲れない部分と妥協できる点をしっかりと考えておくようにしましょう。

 

完全共有型

個室を除く全てを共有するのが完全共有型です。
二世帯住宅というよりも子世帯と親世帯の同居という形に近くなります。

建築費用を抑えられる点や、家事や育児・介護の分担をすることができる点がメリットとなります。
義両親との関係性が良好な場合は選択肢に入れても良いでしょう。

ただし、プライベートを確保することは難しくなりますので、義理の両親と暮らす立場の配偶者の意見を尊重してあげることが重要です。

完全分離型 部分共有型 完全共有型
プライベート感 ×
費用 高額 比較的抑えられる 少額に抑えられる
メリット
  • 世帯の空間をしっかり分けることができる
  • 必要な時だけ各世帯のサポートを受けられる
  • 一定のプライベートを確保しつつ建築費用を抑えられる
  • 二世帯が同じ空間で過ごせる
  • 子世帯が子どもいる共働きでも安心
  • 建築費用が抑えられる
  • 家族が顔を合わせやすい
  • 家事や育児・介護を分担しやすい
  • 光熱費の削減にも繋がる
デメリット
  • 世帯間でスペースの格差が生まれる
  • それぞれの世帯で玄関や水回りが必要なため建設費用が高くなる
  • 完全にはプライベートを確保できない
  • 共有スペースの使い方でトラブルが起こることも
  • プライベートを確保しにくい
  • 生活スタイルの違いで生活音が気になる

 

二世帯住宅でどの間取りが成功なのかは家庭によって異なる

二世帯住宅の間取りに、全ての方に当てはまる正解はありません。

子世帯と親世帯の関係性や、予算・ライフプランなどによって二世帯住宅成功間取りは異なります。

重要となってくるのは、二世帯住宅を建てたあとに、子世帯・親世帯がどのように過ごしていきたいかという点です。

住宅は一生のお買い物ですので、建ててから後悔しないように世帯間で充分に話し合いをしておくようにしましょう。

 

二世帯住宅の間取りを成功させるために押さえておきたい4つのポイント

二世帯住宅間取り成功させるためには、子世帯・親世帯の希望や考え方を共通化しておく必要があります。

ここでは、二世帯住宅間取りを考える際に、押さえておくべき4つのポイントを解説します。

 

ポイント①:世帯ごとの家事スタイル・生活リズム

世帯ごとの家事のスタイルや生活リズムの違いは、二世帯住宅でトラブルを招きやすいポイントのひとつです。

部分共用型でも完全共用型でも、キッチンや風呂などの水回りは家事のスタイルや生活リズムによってトラブルが起こる可能性があります。
例えば、子世帯か親世帯のどちらかがキッチンのプライベートを守りたい場合、分ける方が無難です。

また、一般的には親世帯は朝型で子世帯は夜型など、生活リズムにズレがあります。
生活リズムが異なる場合、生活音が気になるケースがありますので、ストレスを溜めてしまわないようにプライベートゾーンの確保を検討しましょう。

 

ポイント②:希望の間取りと坪数・費用の両立

間取りを考える際には、希望する間取りと用意できる土地の坪数・予算を両立できるように打ち合わせをしましょう。

敷地面積が限られている中で完全分離を強行してしまうと、希望の間取りで設計ができないケースもあります。
坪数や予算が限られている場合、妥協するべき点を検討して、部分共有で間取りを設計するのもひとつの方法です。

 

ポイント③:世帯ごとに求めるプライベートスペースの基準

脱衣所は分けたい・キッチンは分けたいなど、世帯ごとに確保したいプライベートスペースの基準は異なります。

各世帯で譲れないプライベートスペースを話し合い、共有部分・専有部分をどこにするのかを打ち合わせしておくようにしましょう。

 

ポイント④:子育て・介護への考え方

子育てや介護など、各世帯で協力が必要な事柄によっても、適した間取りは異なってきます。

例えば、子の世帯が孫を子育て中で、親世帯のサポートが必要な場合、共用型の間取りが便利です。

 

二世帯住宅の間取りを成功に導く│後悔のない話し合い方とは?

二世帯住宅間取り成功に導くためには、両世帯での話し合いが重要です。

間取りを決定するステップとしては以下のような流れになります。

  1. 理想や希望の洗い出し
  2. 坪数・費用との妥協点探し
  3. 間取りの決定

ここでは、後悔のない話し合いをするためのポイントについて解説します。

 

親世帯・子世帯それぞれから本音を引き出す

義両親と住む立場になる家族の意見は尊重するべきです。

義両親の場合、分けたいプライベートスペースなどの本音や要望を直接伝えることが難しい場合もあります。

施工を依頼する業者など、家族以外の第三者を交えるなどして、本音で話し合いができる環境を作るようにしましょう。

 

親世帯・子世帯のライフプランをすり合わせていく

子世帯の子育てに関するライフプランや、親世帯の介護など、両世帯のライフプランをすり合わせておく必要があります。

子世帯の子どもの人数によっても、必要とするスペースや間取りは異なります。

また、親世帯が介護が必要になった際にバリアフリーを検討する場合、分離型の方がバリアフリー化の施工もしやすくなります。

両世帯の年代によっても求める間取りは変わってきますので、充分に話し合いをしておくようにしましょう。

 

それぞれの生活スタイルで重視するポイント洗い出す

二世帯住宅では、生活スタイルの違いによってトラブルが起こりがちです。

例えば、親世帯か子世帯のどちらかにお客さんが多い場合、玄関が共用スペースだと気を遣ってしまいます。
また、義理の兄弟・姉妹の帰省の際に使用するスペースについても予め決めておいた方が無難です。

近年では、リモートワークで働く方も多くなっていますので、仕事ができるスペースを確保しておくことも重要です。

 

あらかじめ生活のルールを決めておく

共用スペースに親世帯(または子世帯)のものが溜まったり、子育てに干渉する・ゴミ出しはどうするのかなど、仲の良い家族でも不満は溜まってしまいがちです。

特に、相手が義両親の場合は、不満が溜まっても直接は伝えづらく我慢をし続けてしまうケースもありますので、同居を始める前に生活のルールを決めておくようにしましょう。

 

まとめ

二世帯住宅は、間取り成功させたら世帯間のサポートや費用面、税制などメリットが多くあるライフスタイルです。

しかし、二世帯住宅間取りに、全ての方に当てはまる正解はありません。
自分たちのライフスタイルや要望に合った間取りを作るには、両世帯での綿密な話し合いや打ち合わせが重要です。

後になって後悔しないためにも、譲れない点と妥協できる点をきっちり線引きして、二世帯住宅間取り成功に導きましょう。

 

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この記事の監修

髙田 司

髙田 司

役職取締役設計部長

保有資格一級建築士、耐震診断士、福祉住環境コーディネーター2級

2003年 東海工業専門学校卒業
現場監督、営業、積算、設計などマルチな経歴を持つ。
現在は住宅設計部の部長として、組織づくりなどのマネジメント、クレーム管理、特殊案件の実施設計を担当。また商品開発の一環でモデルハウスの建て替えや、購買部も兼任している。

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