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公開:2024.03.20

仏間の間取りはどうする?適した条件やポイント・注意点・間取り例を解説

仏間の間取り

仏様やご先祖様をまつる仏間は、仏様やご先祖様と向き合う大切な場所です。家づくりにあたって、仏間を間取りに取り入れたいと検討されている方も多いでしょう。

しかし、仏間を設置する際の決まり事や、設置してはいけない場所があるかなど、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

仏間はほかの部屋と異なり、仏壇を傷めないような環境や神棚との関係など、仏間特有のポイントや考慮すべき点が多くあります。

この記事では、仏間に適した部屋の条件や、基本的なポイントや方角についてまとめました。具体的な施工事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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仏間に適した部屋の条件

仏間に適した部屋の条件を2つ紹介します。

  1. 湿度を管理しやすい
  2. 上階に部屋や廊下を設けないのがベスト

 

条件①:湿度を管理しやすい

仏間は、風通しがよく湿度が高くなりにくい部屋に配置するのがおすすめです。

前提として、仏間や仏壇の向きは、後ほど解説する宗派や風水によって異なる点に注意しましょう。そのうえで、仏壇を北向きに設置すると壁面を南側にする必要があり、採光や風通しの観点から避ける傾向にあります。

仏壇は通常、木でつくられており、湿気に弱いものです。梅雨の季節など湿度が高まると、仏壇にカビが発生する可能性があります。仏間を設ける際は、湿度管理に充分な注意が必要です。

また、変色や乾燥によるひび割れなど、仏壇が傷む原因になる恐れがあるため、直射日光やエアコンの風が当たる場所も避けた方がよいでしょう。

 

条件②:上階に部屋や廊下を設けないのがベスト

仏間は、その配置だけでなく、上階にも気を配る必要があります。なぜなら、仏様の上を人間が歩く行為は失礼にあたると考えられているからです。

部屋や廊下が仏間の上にあると、人が歩くことを避けるのはどうしても難しくなります。

そのため、仏間の上は、押入れやクローゼットなど、人が立ち入らないスペースとすることが一般的です。

 

仏間を取り入れる際の間取りのポイント3選

和室

仏間を取り入れる際は、次の3つのポイントをおさえましょう。

  1. お参りのしやすさを重視する
  2. 仏間の方角は宗派や風水次第
  3. 仏壇を設置する奥行きを確保する

 

ポイント①:お参りのしやすさを重視する

仏間は、仏像や位牌を安置している部屋を指しますが、単なる空間ではなく、仏様やご先祖様と向き合う神聖な場所です。

そのため、普段からご先祖様に挨拶をしたり、近況報告をしたりできるような配置にしましょう。

あまりにも人の出入りが多すぎる場所は考えものですが、日常生活に近い場所に設置するのがおすすめです。

 

ポイント②:仏間の方角は宗派や風水次第

絶対にこの方角でいけないという決まりはありませんが、宗派によっては奨励されている方角もあります。

一般的に広く知られているのは、以下の説です。

考え方 概要
南面北座説
(なんめんほくざせつ)
曹洞宗・臨済宗などで採用されている説で、北を背にして南向きに仏壇を設置。南向きのため、直射日光が当たりにくいというメリットも。
西方浄土説
(さいほうじょうどせつ)
主に浄土真宗・浄土宗・天台宗で採用されており、極楽浄土が西にあるという考え方。東向きに仏壇を設置し、拝む際に西(極楽浄土)を向く形になる。
本山中心説
(ほんざんちゅうしんせつ)
真言宗などで採用されており、仏壇で拝む際に、宗派の本山を拝める方角がよいとする考え方。家の場所と本山の位置によって適した方角はさまざま。

 

また、風水を取り入れている家庭では、風水の観点から仏間の間取りや仏壇の方角を決める場合もあります。

 

ポイント③:仏壇を設置する奥行きを確保する

仏壇を設置する際は、奥行きを90cm以上取っておくのがおすすめです。事前に仏壇の大きさをきちんと測っておくとよいでしょう。

ほとんどの仏壇は観音開きになっているので、扉を開けた際のスペースも確保しておいてください。

サイズがわかっていないと、扉がきちんと開かなかったり、そもそも仏壇が入らなかったりといった事態になってしまうので、注意が必要です。

仏壇の前には、お供え物を置くこともあるので、広めに場所を空けられるようにします。また、拝むスペースも考慮して、余裕を持って設置するようにしましょう。

注文住宅の間取りを決める際にこだわるポイントについては、以下の記事で紹介しています。

【関連記事】注文住宅のこだわりすぎには要注意?本当にこだわりたいポイント5選を解説

 

仏間を設置する時の注意点

和室

仏間を設置する際には、次の3点に注意しましょう。

  1. 仏壇を見下ろさない高さに調整・配置する
  2. 床の強度を高くする
  3. 神棚も配置する場合は向かい合わせないようにする

 

注意点①:仏壇を見下ろさない高さに調整・配置する

仏壇の高さに関する注意点として、拝む際に仏壇を見下ろす高さとならないようにしてください。仏壇を見下ろしてお参りすることは、仏様やご先祖様に対して失礼ですので、注意しましょう。

実際、椅子に座って拝むのか、座布団に正座して拝むのかなど、体勢によっても異なるので、事前に拝む際のイメージをしておくことが大切です。

 

注意点②:床の強度を高くする

仏壇はある程度重量があるため、床の強度にも注意が必要です。

床の強度が十分でないと、仏壇が傾いたり床が破損したりするなどの恐れがあるため、仏壇を設置する場所の床は、強度を高くしておきましょう。

また、仏壇を設置する場所が水平であることも重要です。もし水平でない場合、扉が勝手に開いたり、仏具が落ちてきたりする可能性があります。

 

注意点③:神棚も配置する場合は向かい合わせないようにする

同じ部屋に神棚も設置する場合は、仏壇と神棚が向かい合わないように設置しましょう。

どちらかに手を合わせる際、もう一方に背を向けることになってしまい、失礼に当たるためです。

また、「仏壇の上に神棚がある」という配置も避けましょう。どちらにお参りしているかがわからないばかりか、神棚を拝むときに仏壇を見下ろす形になるので注意が必要です。

同じ部屋に両方設置する場合には、向かいや真上にこないように、左右にずらすなどして対応しましょう。

 

仏間を設けた間取り例3選

仏間を設けている間取りの事例を3つ紹介します。

  1. リビングを中心に家族が自然と顔を合わせる家
  2. インテリアを楽しみながら中庭を望む家
  3. 居心地の良い空間と先の事まで考えられた家

 

間取り①:リビングを中心に家族が自然と顔を合わせる家

仏間のある間取り>>このお家の全ての写真を見る


「リビングを中心に家族が自然と顔を合わせる家」のポイントは、以下の2つです。

  1. リビングに仏間が隣接
  2. 落ち着いた空間


こちらの家では、仏間がリビングに隣接しているため、生活空間と近く、お参りしやすい配置となっています。

洋室の中に和室がありますが、格子の間仕切りを採用し、地続きにすることで、違和感のない心地よい空間を実現しました。

和室

吊り押し入れの下の窓から入る光もあたたかで、落ち着いた空間を演出しています。

 

間取り②:インテリアを楽しみながら中庭を望む家

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「インテリアを楽しみながら中庭を望む家」のポイントは、以下の2つです。

  1. 和室から見渡せる庭
  2. シックでモダンな仏間


リビングダイニングからひと続きになっている和室からは、庭の景色が眺められ、インテリアと相まって和モダンな空間を演出。

程よい距離感で、和と洋がマッチしたまさに和洋折衷を実現した家です。

和室

和室のクロスにはライトグレー、畳は灰桜色を採用し、落ち着いた中に明るい雰囲気があるのも特徴です。

モダンな和室にするためのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】和室をモダンにコーディネート!5つのポイントと3つの施工実例を解説

 

間取り③:居心地の良い空間と先の事まで考えられた家

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「居心地の良い空間と先の事まで考えられた家」のポイントは、以下の2つです。

  1. あたたかな色味の和室
  2. 生活空間に近い場所に設置された神棚


柔らかい色味で統一された和室は、心安らぐ空間になっています。部屋の角に神棚を設置して、家族を見守ってもらえる安心感もあります。

仏間のある間取り例

和室とリビングを隣り合わせにしたことで、扉を開けると広々とした開放感のあるスペースが生まれました。

神棚のある和室が生活空間に近く、日ごろのお参りのしやすさもポイントです。

 

まとめ:仏間の間取りを考える際はご先祖様を思う気持ちが大切

仏間を間取りに取り入れる際の3つのポイントをおさらいしましょう。

  1. お参りのしやすさを重視する
  2. 仏間の方角は宗派や風水次第
  3. 仏壇を設置する奥行きを確保する


上記のポイントを押さえつつ、
間取りを検討するうえで最も重要なのは、仏様やご先祖様を思う気持ちです。

信仰のあり方や宗派は家庭によって異なりますが、どの宗派に属しているかに関わらず、ご先祖様への感謝や尊敬の気持ちは共通しています。

仏間はただの空間ではなく、仏様やご先祖様と向き合う大切な場所であることを念頭に置き、敬意と感謝の気持ちを持って、間取りを考えましょう。

アサヒグローバルホームでは、お客様の理想の家づくりを実現するお手伝いをしています。施工事例ページには、今までの施工例をたくさん掲載していますので、あわせて参考にしてみてください。

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この記事の監修

髙田 司

髙田 司

役職取締役設計部長

保有資格一級建築士、耐震診断士、福祉住環境コーディネーター2級

2003年 東海工業専門学校卒業
現場監督、営業、積算、設計などマルチな経歴を持つ。
現在は住宅設計部の部長として、組織づくりなどのマネジメント、クレーム管理、特殊案件の実施設計を担当。また商品開発の一環でモデルハウスの建て替えや、購買部も兼任している。

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