公開:2024.04.22 更新:2024.06.25
高気密高断熱な住宅を建てる際のポイントとは?メリット・デメリットも解説
せっかく家を建てるなら「夏は涼しく、冬は暖かい家を建てたい」と考える方は多いでしょう。断熱性を重視して家づくりを進めたい人も増えています。
しかし、実は高断熱というだけでは、一年を通して快適な家は実現できないのです。断熱性と同様に重要なのが気密性。この2つが揃ってはじめて、室内の温度を保ちやすい、快適な家となります。
この記事では、高気密高断熱な家とはどんな家なのか、メリットとデメリットを解説します。
高気密高断熱な家を建てる際のポイントも紹介しているので、マイホームの性能を重視したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
高気密高断熱な家とは
高気密高断熱な家とは、外気からの熱や冷気の侵入を最小限に抑え、室内の温度や湿度を一定に保てる住宅のことを指します。
気密性と断熱性の特徴は下表のとおりです。
気密性 | どれだけ隙間がないかを示す指標で、機械で実測でき、数値で表せる |
断熱性 | 外気温による影響を遮断するためのもので、断熱材の量や厚さによって対策できるが、断熱性能は実測できない |
例えば、フリースやセーターは隙間が多く風を通しやすいです。それと同じで、家も壁の内部や床下など風が通りやすい場所に隙間がたくさんあると、室内に外からの冷気が入ってきやすくなり、寒くなってしまいます。
隙間をできる限りなくすために、断熱材や気密テープなどを用いて隙間を埋め、高気密状態を作りだすのです。
気密性が高い状態だと、暖房や冷房で快適な温度にした室内の空気を外に逃がしにくくなるので、室内の温度も一定に保ちやすくなります。
また、断熱性は、断熱材を壁や床下などに詰めることで高められます。断熱性だけが高くても、気密性が低ければ冷暖房が効きにくくなるので、快適な家の実現には双方の性能を高める必要があるのです。
高気密高断熱な家は、省エネにつながり、冷暖房の使用を抑えられることに加え、環境にも配慮した設計で近年注目されています。
気密性の詳細と重要性については、下記の記事も参考にしてください。
【関連記事】住宅における気密性の本当の重要性とは?快適な家づくりのヒントを解説
東海地方で高気密高断熱な家は必要なのか
結論から言うと、東海地方でも高気密高断熱な家は必要です。
東海地方は年間を通じて、比較的温暖な気候ではありますが、暖房をまったく使わないわけにはいきません。夏はもちろん冷房が欠かせません。
そのため、エリアを問わず高気密高断熱な家であるのがベストです。高気密高断熱な住宅にすることで、どの季節であっても快適に過ごせるようになり、光熱費も抑えられます。
どこに住むにしても、住宅の性能が高い、高気密高断熱な家を目指すとよいでしょう。
高気密高断熱な家の3つのメリット
高気密高断熱な家の主なメリットは以下の3つです。
- 光熱費を抑えられる
- 一年を通して快適な室内環境を維持できる
- 室内温度の変化が少ない
メリット①:光熱費を抑えられる
高気密高断熱な家は、外気からの熱や冷気の侵入を防ぐため、冷暖房が効きやすく効果的に室内を快適な温度にできます。
また、断熱性能が高いため、冬場でも室内の温度を一定に保ちやすく、夏場も外気の熱の遮断が可能です。
気密性が低いと外気が入り込みやすく、室内の温度を一定に保ちにくいため、夏や冬といった外気温が極端に高かったり低かったりすると余計に電気を使用してしまいます。
しかし、高気密高断熱な家であれば、冷暖房を最低限しか使用しなくて済むので、光熱費を抑えられます。
メリット②:一年を通して快適な室内環境を維持できる
外気の影響を受けにくいため、一年を通して快適な室内環境を維持しやすいです。夏は涼しく、冬は暖かく感じられます。
また、夏場は冷房で冷やした空気が逃げにくく、冬場は暖房で暖めた空気が外に出ていきにくいので、冷気の侵入も防げます。
一年を通して室内環境を適温に維持できると、お家時間をよりゆったりと過ごせるでしょう。
メリット③:室内温度の変化が少ない
高気密高断熱な家では室内の温度変化が少ないため、以下のケースから抱く不快感を軽減できます。
- 夏場の2階に暖気が集まる
- 冬場の廊下や洗面台、お風呂が極端に寒い
冬場においては、急激な温度変化によって血圧が急に上下することによる健康上の問題であるヒートショックに気をつけなければなりません。
外気の影響を受けにくい断熱性が高い家なら、暖房がついている部屋とついていない部屋の温度差が少ないため、ヒートショックのリスクを軽減できます。
ヒートショックは不整脈や心筋梗塞などの重篤な症状を引き起こす危険性があるため、十分に注意が必要です。室内温度の変化が少ない家づくりを進めて、ヒートショックのリスクを抑えましょう。
高気密高断熱な家の3つのデメリット
高気密高断熱な家の主なデメリットは以下の3つです。
- 室内が乾燥しやすい
- 内部結露とカビが発生し得る
- 建築費用が高くなる場合もある
デメリット①:室内が乾燥しやすい
高気密であるために、外からの湿気の流入が少なく、室内が乾燥しやすいです。
特に、冬場は暖房を使うため、乾燥に拍車がかかるため、熱交換換気システム(温度を一定に保ちながら換気ができる機械)を導入するのがおすすめです。
この点について、後述するように換気システムの導入は義務化されているため、極度に心配する必要はないでしょう。
デメリット②:内部結露とカビが発生し得る
高気密高断熱な家は外気の侵入を抑える一方で、湿気も外部へ排出しにくいです。そのため、あたたかい空気が入ってくると、湿気がたまり、内部結露やカビの発生リスクが高まります。
特に、湿気の多い季節や、湿度管理が不十分な場合には、壁の内部に結露が生じ、カビが発生する可能性があります。
結露やカビの発生リスクを軽減するためには、適切な換気が必要です。湿気を排出することで、結露を防げます。
2003年の建築基準法の改正で、住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、気密性と断熱性のバランスが取れていないとうまく機能しません。
そのため、断熱材に隙間を作らないなど、施工時の適切な処置も大切です。依頼する工務店は、慎重に選ぶようにしましょう。
デメリット③:建築費用が高くなる場合もある
高気密高断熱な家を建てる際には、高性能な断熱材や気密性を確保するための材料や工法が必要となります。
そのため、通常の住宅に比べて建築費用が高くなるケースもあるので注意が必要です。
高気密高断熱な家づくりのポイント
ポイント①:空気が循環しやすい間取りにする
高気密高断熱の住宅は、空気が通りにくいため、窓を開けたときに空気が循環しやすいような間取りにするのがおすすめです。
先にお伝えしたように、2003年から24時間換気システムの設置が義務付けられました。これは、住宅の高気密化とも関係しており、化学物質によるシックハウス症候群やハウスダストへの対策が目的です。
しかし、24時間の換気システムがあるとはいえ、過信はしないようにしましょう。高気密の住宅は、空気が通りにくく、家を建てる際に用いられる塗料や接着剤などの化学物質が家の中に留まりやすいです。
これらは頭痛やめまいの原因にもなるので、窓を開けて換気することも大切です。空気の循環のしやすさは場所や環境によっても異なるので、どのような間取りで、どこに窓を設置すれば空気がうまく循環するのか、工務店に相談するとよいでしょう。
ポイント②:窓にこだわる
高気密高断熱な家を建てる際に、窓の選定は重要です。
窓は家の断熱性や快適性に大きな影響を与える要素の1つで、二重サッシや断熱効果の高いサッシを選ぶことで、外部からの熱や冷気の侵入を最小限に抑えられます。
また、夏の日差しをうまくカットできるものもあります。特に、南向きの窓など、日差しの強い場所に用いるのが効果的です。
高気密・高断熱の効果を最大限に引き出すためには、場所によって窓も使い分けることが大切です。適材適所のサッシを使用して、外部からの熱や冷気を遮断し、室内を快適に保ちましょう。
サッシを選ぶ際には、以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】5種類のサッシと特徴を解説!選ぶ際の3つのポイントもご紹介
ポイント③:施工品質の高い工務店を選ぶ
高気密高断熱の家を建てるためには、施工の経験や知識も必要です。工務店の技術によって、家の性能や品質に大きな違いが生じるため、気密性や断熱性の高い家を建てた実績のある工務店を選びましょう。
特に、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅に対応している工務店は、高い断熱性能を持つ住宅を提供できる可能性が高いと考えられます。ZEHとは、断熱性能が高く、室内の快適な環境を維持しつつ、省エネルギーを実現する住宅のことです。
気密性を表すC値や断熱性を表すUa値もポイントです。これらの値は、小さいほど気密性断熱性が高いので、候補となる工務店の値を比較してみてもよいでしょう。
まとめ:高気密高断熱な家を建てるならアサヒグローバルホーム
高気密高断熱な家を建てる際には、間取りや窓の選定、そして工務店の選択が重要です。空気の循環を考慮した間取り設計や、断熱性能の高い窓の選定によって、快適で省エネルギーな住環境の実現が可能です。
また、経験豊富で信頼性の高い工務店を選ぶことで、品質の高い住宅を建てられます。これらのポイントを押さえて、理想の住まいづくりを実現しましょう。
アサヒグローバルホームでは、高気密高断熱な家づくりのお手伝いを多数行ってまいりました。施工事例ページには、これまでの施工例を掲載していますので、あわせて参考にしてみてください。
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