公開:2022.11.17 更新:2023.05.19
ペットと暮らす家の実例4選!工夫する点や注意点を解説
ペットは大切な家族の一員であり、彼らのために快適な住環境を用意してあげるのは飼い主の義務でしょう。
健康や安全に気を配るのはもちろんのこと、ペットの習性や行動をきちんと把握したうえで、のびのびと生活できるよう工夫が大切です。
しかしもちろん、ペットのために人間の利便性が損なわれては本末転倒です。
大切なのは、人間とペットがどちらも快適に過ごせる空間をいかに作り上げるかということ。そのために配慮するべきことはいくつもあります。
この記事では、ペットと暮らせるのに適した家の実例を紹介するとともに、必要な工夫や、逆にすべきではないことなどを具体的に解説します。
ペットと暮らす家の実例4選
まずはペットと暮らすための空間として工夫が施された家の実例を4つ紹介します。自分なりの理想の家を考える際の参考にしてみてください。
実例①:グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家
家屋内外の主な部分をグレーで統一し、シンプルでスタイリッシュな空間を演出した家です。LDKをL字型に配置し、キッチンや内装までグレーで統一した空間は、上品で洗練されたイメージを与えてくれます。
一見すると「人間の美学を徹底的に考慮された」印象の家ですが、細部をしっかり観察してみると、ペットの猫に対する配慮が行き届いていることがわかります。
廊下とリビングをつなぐ猫専用の出入り口が設けられており、ペットがいつでも行き来できるようになっているのはその代表的な例。木材を使っておしゃれに作られているため、ペットの利便性のために妥協をしたイメージはまったくありません。
実例②:海外ドラマを再現したようなアメリカンハウス
ブラウンの玄関がアクセントになったカバードポーチが特徴的な家です。
グレージュの外壁にネイビーの屋根を合わせたコントラストのあるアメリカンスタイルの外観は、海外ドラマのワンシーンを思わせるような造りになっています。
内装は全体を白やブラウンの落ち着いたカラーで統一することで、シンプルで清潔感を感じつつ、温かみのある空間を演出。
リビングに大きな窓を大胆に設けることで、日中は暖かい光がたっぷりと差し込み、家族もペットも快適に過ごせます。
インテリアにはソファーをあえて置かず、自由に行き来できる動線を確保し、開放的な空間となりました。
実例③:シンプルさを追求した無駄のない家
黒のガルバリウムの外壁に木目調の玄関を取り入れたクールでモダンな雰囲気の家です。
道路側の正面窓を少なくし、ウッドデッキの開放的な中庭を設けることで、外からの視線を気にすることなく家族やペットとゆっくりとくつろげます。また、ロの字型の中庭なので、ペットが外に逃げ出す心配もありません。
玄関土間の素材には、愛犬が足を滑らせにくいようなモルタルを採用。
お手入れの面ではキズや汚れが気にならず、水洗いもできるので、掃除が楽に行えるところがメリットです。
収納力を備えたシューズクロークは、外出の準備や帰宅後の片づけもスムーズになるので、ぜひ取り入れたい工夫のひとつ。
愛犬との快適な生活を考えつつ、木目調のドアとの組み合わせでおしゃれな玄関に仕上がっています。
実例④:家具のようなキッチンとサンルームが魅力的な家
キッチンのデザインが凝ったものになっているのが特徴の家です。キッチンがダイニングテーブルと横並びになっており、調理から片付けまでの流れを最短で済ませられるだけでなく、大切な家族と密な時間を過ごせる構造になっています。
屋根付きのサンルームが設けられており、天候を気にせずいつでも洗濯物を干せるのが魅力です。全面ガラス張りのため視覚的に外部と繋がっており、開放的な気分になれるのもメリットでしょう。
南側には庭を設置し、子どもやペットがいつでも遊べるようにしています。手入れのしやすい人工芝を敷き、サンルームからすぐに出入りできるようになっているため、庭としての使い勝手がよいものになっています。
ペットと暮らす家にするための6つの工夫
人間の住む家を「ペットと暮らす空間」としてしっかり成り立たせるためには、以下の6つの工夫が必要です。
- ペットコーナー・遊び場を設ける
- 足がすべる・肉球が傷つく床材は避ける
- 汚れが付きにくい素材を選ぶ
- 洗い場を設ける
- 玄関と浴室を近くする
- 階段は緩やかにする
ペットと楽しい時間を過ごすために大切な要素なので、以下の解説を読んでしっかり把握しておきましょう。
工夫①:ペットコーナー・遊び場を設ける
ペットが自分の時間に専念できるペットコーナーや遊び場を設けることは大切です。人間にもプライベートな空間が必要なのと同じように、ペットにも自分だけのリラックスできる空間が欠かせません。
とくに猫は人目を気にすることも多いので、のびのびと暮らすためにペットコーナーは可能な限り設置しておきましょう。階段下などのデッドスペースを利用するのがおすすめです。
犬の場合は人間と触れ合うのが好きなので、リビングにペットコーナーを設けておくのがおすすめです。就寝の際には人間とペットがそれぞれ別の空間で休むことになります。
工夫②:足がすべる・肉球が傷つく床材は避ける
ペットは人間よりもずっと激しく動き回るので、普通のフローリングにすると滑りやすく、股関節を怪我する原因になってしまいます。ペットの安全を考慮するのであれば、滑りにくいフローリングにしたり、滑り止めコーティングを施したり、などの対策を取っておきましょう。
また肉球が傷つくような素材を避けるのも必要なことです。肉球は人間が思っているよりも繊細な部位なので、配慮を怠るといつのまにか傷だらけになってしまいます。ペットのためには動きやすく柔らかい床にしておくことがおすすめです。
工夫③:汚れが付きにくい素材を選ぶ
ペットと暮らしていると、どうしても汚れの問題がつきまといます。たとえば抜け毛は必ず対策しなければいけません。抜け毛にはホコリだけでなく糞尿が付いている場合もあるので、放置しておくと家族やペットが吸い込んで健康を損ねる危険性があるからです。
ほかにも、外で遊んできた猫や散歩に出かけた犬の足には汚れが付いているので、たとえきちんと洗ったつもりでも、ある程度の汚れはどうしても家に入ってしまいます。
このような汚れへの対策としては、できるだけ汚れが付きにくく掃除しやすい素材を選ぶことが第一に挙げられます。床材や壁紙などを汚れの付きにくいものにし、なるべく掃除しやすいようフラットな作りにしておくことを心掛けましょう。
工夫④:洗い場を設ける
外遊びから帰ってきたペットを綺麗にできる洗い場を用意しておくのも効果的です。マンションの場合は難しいかもしれませんが、一軒家の場合には庭先にぜひ洗い場を設けておきましょう。そうすることで、家に入れる前にまずペットを綺麗に洗うことが可能となります。
工夫⑤:玄関と浴室を近くする
犬を飼っている場合、毎日の日課として散歩をすることになります。散歩から帰ってきたとき、前項のように洗い場が用意されているのが理想的ですが、用意できない場合にはせめて浴室を玄関から近い位置にしておくことをおすすめします。
玄関からすぐに浴室にペットを運べれば、必要以上に家を汚すことなくすぐにペットを洗えるので、家を清潔に保てます。
工夫⑥:階段は緩やかにする
ペットが昇り降りしやすいように、階段を緩やかなものにしておくことをおすすめします。ペットも歳を取るにつれて足腰がだんだん弱くなってくるので、急な階段はやがて昇り降りが難しくなっていきます。そのせいで家のなかでの行動範囲が狭くなってしまうのはかわいそうなので、あらかじめ配慮しておくことが大切です。
また急な階段を作らないことは、将来的には飼い主のためにもなります。人間も歳を取るにつれて急な階段を昇り降りしづらくなるのは同じだからです。つまりこの話はペットに限ったことではなく、そこで誰が生活するかを考えておくべきことになります。
ペットと暮らす家にするための5つの注意点
ペットと暮らす家をしっかり成立させるために注意すべき点としては、以下の5つが挙げられます。
- ペットが食べてはいけない植物は植えない
- ドア・ペットフェンスを設置する
- バルコニーは隙間を埋める
- 浴槽のフタ、浴室の扉は必ず閉める
- 換気をこまめにする
いずれも下手をするとペットの命に関わる要素なので、以下の解説の内容はしっかりと覚えておきましょう。
注意点①:ペットが食べてはいけない植物は植えない
快適な庭は、ペットを遊ばせるには最適な空間です。同時に人間の視点で、ガーデニングに凝ってみたくなることもあるでしょう。
その際に注意すべきなのは、ペットが食べてはいけない植物を植えないことです。身近な植物でも、ペットが口にすると危険なものがたくさんあります。たとえばチューリップやスイセン、ジャスミン、シクラメンなどは、いずれもペットにとっては危険な植物です。
ペットには、かじると危険なものを見分ける能力まではないので、人間の側できちんと配慮しなければいけないことを覚えておきましょう。
注意点②:ドア・ペットフェンスを設置する
ペットが急に立ち入ると危ない場所はいくつもあります。代表的なのは玄関とキッチンでしょう。「急に飛び出してしまうかもしれない」「刃物や火気に触れてしまうかもしれない」などの危険が考えられます。
対策としては、ドアやペットフェンスの設置により、その場所が出入り禁止なことをペットがわかるようにすることが挙げられます。家のなかにしっかりとメリハリをつけることにより、人間にとってもペットにとっても過ごしやすい空間になっていきます。
また階段を駆け上がったり駆け下りたりする癖のあるペットがいる場合には、階段の入り口部分にもペットフェンスの用意をおすすめします。
注意点③:バルコニーは隙間を埋める
バルコニーを囲む目隠し板に隙間がある場合、たとえわずかな隙間であってもペットが落下してしまう危険性があります。隙間がある場合はそのまま放置せず、パネル式のベランダ用目隠しに交換するか、木製や樹脂製のフェンスなどで隙間をなくし、万が一にもペットが飛び出ないようにしましょう。
注意点④:浴槽のフタ、浴室の扉は必ず閉める
浴室は、ペットが事故を起こしやすい場所の1つです。勝手に侵入して、水を張った浴槽に誤って落ちてしまう事故が頻繁に起きています。
悲惨な事故を未然に防ぐためにも、浴槽にきちんとフタをし、浴室の扉をきちんと閉めておくことを厳重に心掛けておきましょう。
また石鹸やシャンプー、洗剤などのペットがなめて危険なものは、できるだけ高いところに収納しておくことをおすすめします。
注意点⑤:換気をこまめに行う
ペットと暮らすのであれば、常に換気をこまめに行うのも大切です。閉め切った空間ではハウスダストやダニなどが繁殖しやすく、ペットだけでなく人間にとっても有害なので、できるだけ空気を新鮮なものにしておく必要があるからです。
とくに真夏や真冬は冷暖房で部屋を閉め切ることも多いので、定期的な換気を習慣にしておきましょう。
まとめ
ペットと暮らす家を構築するにあたってどのようなことを意識すればよいか、実例や工夫の方法、注意点などを解説しました。
ペットは家族の一員であり、飼い主にとっては人間との垣根のない存在です。しかし現実問題として人間とペットでは事情が異なるので、その事実をしっかりと認識したうえでのさまざまな配慮が、快適な生活には必須となります。
この記事を参考にして、ぜひ大切なペットと素晴らしい時間を過ごせる居住空間を作り上げてください。
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施工事例からペットと暮らす家を探してみませんか?
ペットと暮らすには以下の工夫が必要です。
①ペットコーナー・遊び場を設ける
②足がすべる・肉球が傷つく床材は避ける
③汚れが付きにくい素材を選ぶ
④洗い場を設ける
⑤玄関と浴室を近くする
⑥階段は緩やかにする
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