公開:2024.02.22
太陽光パネルと蓄電池を併用するメリット・デメリット・注意点を解説
毎日同じように生活しているのに、電気料金の高騰や物価の上昇などによって家計を圧迫されて悩む人も多いでしょう。
東京都では、新築戸建て住宅の太陽光発電の設置が義務化されるなど、電気の自給自足に向けた取り組みも加速しています。
この記事では、太陽光パネルと蓄電池を併用するメリットやデメリットをまとめました。
両者を併用する際の注意点も解説しているので、電気を自給自足できる家づくりに興味のある人はぜひ参考にしてください。
目次
太陽光発電の仕組み
そもそも住宅用の太陽光発電は、屋根やカーポートに設置される、出力が10kW未満ほどの発電装置のことです。
太陽光によって発電される仕組みは以下のとおりです。
- 太陽光パネルが光を吸収する
- 太陽電池が光を直流の電気に変換する
- パワーコンディショナー(変換装置)に送電する
- パワーコンディショナーで直流から交流に電気を変換する
- 分電盤と呼ばれる装置によって各種家電に供給される
太陽光が降り注ぐ間に電力を作れる一方、当然ですが、曇りや雨の日にはほとんど発電できません。
また、太陽光発電だけでは電気を貯める仕組みが存在しないので、蓄電池システムとの併用がポイントになります。
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蓄電池システムの仕組み
蓄電池システム自体は、身近な例で言えばモバイルバッテリーと同じで、電池内で充電と放電を繰り返せる機能が搭載されているものです。
家庭用で使用する蓄電池の場合、冷蔵庫やエアコン、電子レンジなど、消費電力の異なるさまざまな家電製品を同時に稼働させられるのが特徴と言えます。
家庭用蓄電池システムは、おもに以下の役割を果たします。
- 太陽光発電で発電した電気を貯めておく
- 電力会社から送電(購入)した電気を貯めておく
- 貯めた電気を各種家電の稼働に使用(放電)する
メーカーによって詳細は異なりますが、蓄電池システムには複数のモードが搭載されているケースが大半です。
- 一定の残量まで蓄電容量が減ると自動的に充電するモード
- 太陽光発電で余った電力は売電を優先するモード
- 電力会社から購入した電気を優先的に貯めて太陽光発電の電気を利用したり、その逆をしたりするモード
蓄電池システム単体を設置するだけでも、電力会社から単価の安い時間帯に電気を購入して貯める選択をとることもできます。
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太陽光発電と蓄電池を併用する3つのメリット
太陽光発電と蓄電池を併用するメリットを3つ紹介します。
- 発電した電気の使い道を増やせる
- 電気代の節約効果がより高まる
- 停電時や災害時に役立つ
メリット①:発電した電気の使い道を増やせる
太陽光発電と蓄電池システムは、併用することで発電した電気の使い道を増やせるメリットがあります。
単体使用と併用それぞれの場合における使い道を表にまとめました。
太陽光発電のみ | 太陽光発電と蓄電池システムの併用 |
・発電した電気をその都度使用する ・電力会社に売る |
・電気をその都度使用する ・電力会社に売る ・蓄電池に貯める |
太陽光発電のみを設置した場合、発電できた電気は「使用」「売却」のいずれかをするしかありません。しかし、蓄電池システムがあることで、「貯める」も選択肢に加わります。
発電した電気の使い道が増えるだけでなく、後述するように、電力会社の電気を効率よく利用できるようになる点で大きなメリットがあるのです。
具体的には、電力単価をより低く抑えながら電気を使用できるようになるため、太陽光発電と蓄電池システムは併用したほうが節約効果を高めやすいといえます。
メリット②:電気代の節約効果がより高まる
太陽光発電と蓄電池システムを併用することで、電気代の節約効果をより高められます。
蓄電池システムを導入するメリットをまとめました。
- 太陽光パネルで発電した電気を貯められる
- 電力会社から割安な料金で電気を購入して貯められる
- 購入単価が高い時間帯は自家発電の電気を使える(充電より放電を優先できる)
- 太陽の出ていない夜間は蓄電池の電気を使える
上記のように、蓄電池があることで電力の充電・放電パターンが増えるため、状況に合わせて最適な使い方ができるようになります。
また、「V2H(Vehicle to Home:電気自動車に蓄えられた電力を、家庭用に有効活用する考え方)」にも対応可能。
その結果、電気自動車が蓄電池代わりになり、後述する停電時や災害時に役立つだけでなく、ガソリン代の節約や環境への配慮にも貢献できます。
V2Hについては以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】V2Hとは?補助金や価格、対応車種などについてわかりやすく解説
メリット③:停電時や災害時に役立つ
太陽光発電と蓄電池システムがあれば、停電時や災害時にも役立ちます。
オール電化にすることで、災害時や万が一の際の火災リスクは抑えられますが、停電した際は生活に大きな支障が出るため対策が必須です。
この点、太陽光発電と蓄電池システムを搭載する住宅であれば、停電中においても自家発電で難を逃れられるでしょう。また、蓄電池に充電できていれば、より長い期間の停電にも対応できます。
ちなみに、2007年に起きた新潟県中越沖地震では、停電して電気が復旧するまでに約2日間、2011年の東日本大震災では、震災から約3日で全体の80%近い停電が解消されたようです。
ライフラインの復旧にかかる期間は「電気・水道・ガス」の順番で長引くため、オール電化の家庭では水への備えも欠かせないことは覚えておきましょう。
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引用元:エココト|停電が復旧するまでの時間はどのくらい?過去の大災害から学ぶ
太陽光発電と蓄電池を併用する3つのデメリット
太陽光発電と蓄電池を併用する際は、メリットだけでなくデメリットもあります。なかでも、以下の3つは併用のデメリットとして押さえておきましょう。
- 導入時やメンテナンスのコストが増える
- 地域の気候や立地によって利用効率が下がる
- 設置スペースが必要
デメリット①:導入時やメンテナンスのコストが増える
太陽光発電と蓄電池を併用すると、導入時のコストはもちろん、それぞれのメンテナンスコストが増えるのは大きなデメリットです。
- 本体価格
- 設置費用
- 電気系統の工事費
- 定期的なメンテナンス費用
- 寿命を迎えた際の交換費用
- 古くなった機器の廃棄費用
いずれの機器を採用するにしても、容量が大きくなればなるほど本体価格は上がります。
太陽光パネルの設置や蓄電池の導入に関しては、自治体で補助金を出している場合もあるので、設置を検討する際は自治体のホームページを確認しましょう。
なお、アサヒグローバルホームの「電気代ZEROの家」では、5.1kw分の太陽光パネル15枚と、V2Hスタンドが標準仕様として搭載されています。興味のある方は、「電気代ZEROの家」をご覧ください。
デメリット②:地域の気候や立地によって利用効率が下がる
太陽光発電と蓄電池システムを採用しても、設置エリアの気候や立地によって利用効率が下がる場合もある点には注意が必要です。
- 地域によって日照時間の長さが異なる
- 晴れ・曇り・雨の割合も異なる
- 周りの建物の条件も変わり得る
太陽光は自然エネルギーの一種である以上、外的要因によって利用効率が下がってしまう点は否めません。
ただ、太陽光パネルを載せる場合は、切妻や寄棟屋根(角ができる屋根の形状)ではなく、フラットな屋根のほうが搭載枚数を増やせます。
太陽光発電を検討する際は、搭載後のシミュレーションを行ってもらうなどして、どの程度費用対効果を見込めるか慎重に判断しましょう。
デメリット③:設置スペースが必要
蓄電池システムの設置に関しては、ある程度のスペースを確保する必要があります。
メーカーによって条件は異なりますが、一般的に以下のスペースを確保しなければなりません。
- 大型の空気清浄機ほどのスペース
- 高温・低温になり過ぎない
- 結露しない
- 屋内に設置を求められる場合も
蓄電池自体も小型化が進んでいますが、新築一戸建ての場合は設置スペースを踏まえた設計を依頼して、長く使える場所に正しく設置できるようにしましょう。
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太陽光発電と蓄電池を併用する際の注意点
太陽光発電と蓄電池を併用する際の注意点をまとめました。
- 蓄電池の寿命は15年程度で、太陽光パネルに比べて交換サイクルが短い
- メーカーの保証年数を確認すべき
- 自治体によっては補助金がなかったり締め切られていたりするためタイミングに注意
一般的に、蓄電池の寿命は15〜20年程度、太陽光パネルは25〜30年とされています。寿命を迎えても利用はできますが、充電の効率が下がったり利用時間が短くなったりするため、早めの交換が必要になることは覚えておきましょう。
ほかにも、メーカーの保証年数を確認して、不具合が出た際の対応を確認しておくことも大切です。
また、時期によっては自治体の補助金がない、または今年度分が締め切られている場合もあるため気をつけましょう。
オール電化にした場合の電気代は、以下の記事で詳しく解説しています。
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【関連記事】オール電化の電気代は一軒家で平均何円?ガス併用の場合と高騰の原因も解説
まとめ:太陽光パネルの自家発電と蓄電池で電力の自給自足を実現
太陽光パネルと蓄電池システムは、併用することで大きなメリットを生み出します。ただし、併用するのはメリットだけでなく、デメリットもあるので覚えておきましょう。
メリット | デメリット |
・発電した電気の使い道を増やせる ・電気代の節約効果がより高まる ・停電時や災害時に役立つ |
・導入時やメンテナンスのコストが増える ・地域の気候や立地によって利用効率が下がる ・設置スペースが必要 |
太陽光発電と蓄電池システムは寿命を迎える期間が異なるため、長期的なメンテナンス・買い替え時期も踏まえて、導入前後のコストを冷静に判断することが大切です。
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