公開:2022.10.25 更新:2023.05.19
V2Hの施工方法7ステップ!選び方や設置費用も解説
V2Hの施工方法は、複雑で工程も多いです。しかし、流れを理解しているとシステムの内容も把握でき、より有効的にV2Hを利用できます。
V2Hは今後、さらに注目を集めることでしょう。V2H機器の利用を検討している方は、施工方法や工事の流れを知っておきましょう。
本記事では、V2Hの施工方法や選び方、費用相場を解説します。V2Hの導入を検討している方は、必ずチェックしてください。
目次
V2Hの施工方法を7ステップで解説
V2Hは特殊なシステムのため、流れも複雑です。まずは、V2Hの施工の流れを把握しましょう。
V2Hの施工方法は、下記の7ステップです。
- 太陽光発電設備の設置
- 配管・配線工事
- ブレーカーの取り付け
- V2H機器の設置
- 各種接続工事
- 無線LAN整備
- 設定・動作確認
V2Hの導入を検討している方は、参考にしてください。
ステップ①:太陽光発電設備の設置
まず、太陽光発電設備の設置から始まります。太陽光発電設備はなくてもV2Hを導入できますが、太陽光発電設備とV2Hは相性が良いです。
太陽光発電設備があれば、停電時でも発電可能です。太陽光発電設備とV2Hの設置を一緒に対応してくれる業者もあるため、検討しましょう。
すでに太陽光発電設備が導入されていれば、V2Hの設置許可申請にかかる審査機関や手続きを省略・短縮できます。
ステップ②:配管・配線工事
次に配管・配線工事です。V2H本体から電力切替盤を挟んで屋内分電盤まで、それぞれ接続します。
できれば、天井裏などに配線を隠すとスッキリします。分電盤の配線工事の際は、一時的に停電が発生します。家電などは停電が起きても大丈夫なようにしておきましょう。
また、電気の契約内容も確認しておくのがおすすめです。V2Hを使用するには、アンペア数などの条件があります。条件を満たしていないと、工事をしてV2Hを設置しても使用できません。事前に電気契約は確認しておきましょう。
ステップ③:ブレーカーの取り付け
V2H設置時には、ブレーカーも新しく設置します。ブレーカーは電気が流れすぎたときに制御してくれるため、非常に大事な設備です。
V2H用のブレーカーには、電力の供給先を自動で切り替える切り替えスイッチもついています。
ステップ④:V2H機器の設置
ブレーカーが設置できたら、次はV2H機器の設置です。V2Hを設置する場所は、事前に行われる現地調査で決定します。
設置する場所によっては、基礎土台の施工が必要になる場合もあります。
ステップ⑤:各種接続工事
V2H本体の設置が終わると、次はV2H本体の配線工事です。電気自動車から流れてくる電気がショートしないよう、細心の注意を払って行われます。
このとき、室内では分電盤の配線工事と別ブレーカーの設置工事、切り替えスイッチの工事が行われます。
ステップ⑥:無線LAN整備
スマートフォンからV2Hと接続するために、無線LANの整備も行われます。V2H通信アダプタを接続して無線LANを整備すると、スマートフォンから太陽光発電の発電量や家の電気消費量などを確認できるようになります。
ステップ⑦:設定・動作確認
すべての工事が終わると、設定・動作確認へ移ります。具体的には停電時を想定し、電力会社からの送電を止めて電気が使えるかを確認する流れです。
無事に動作確認が終われば、V2Hを利用できるようになります。
【関連記事】V2Hとは?補助金や価格、対応車種などについてわかりやすく解説
V2H機器の選び方7選
V2H機器を選ぶ際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。選び方を知れば、適切なV2H機器を選べるようになるため、知っておきましょう。
V2H機器の選び方は、下記の7つです。
- 値段
- 系統連系or非系統連系
- 特定負荷型or全負荷型
- 倍速充電
- グリーンモード
- リモート操作
- 保証
V2H機器を選ぶ前に、確認しておきましょう。
選び方①:値段
まず大事な要素は値段です。V2H機器はメーカーや種類によって値段が異なりますが、最低でも40万円ほどはします。
機能や種類も大事ですが、まずは値段が予算の範囲内に収まっているかを確認するとよいでしょう。
また、V2H導入には、本体の値段に加えて工事費用もセットでかかります。そのため、工事費用も加味して検討しましょう。
【関連記事】【2022年最新】V2H補助金の種類4選!条件や注意点も解説
選び方②:系統連系or非系統連系
系統連系か非系統連系かは見ておきましょう。これらの違いは、「複数の供給源からの電気を同時に使えるか」です。
V2Hで利用する電気の供給源は、主に下記の3つです。
- 電気自動車からの電気
- 電力会社からの電気
- 太陽光発電からの電気
系統連系では、上記3つの電気を同時に利用可能です。例えば、電気自動車の電気を家に流しつつ、太陽光発電の電気を電気自動車へ流して充電できます。
一方、非系統連系は上記3つの電気を同時に利用できません。そのため、電気自動車から家へ電気を流しているときに、太陽光発電の電気を電気自動車へ流して充電しておくことは不可能です。
系統連系より非系統連系の方が安価な傾向にあるため、必要な機能かどうかを検討しましょう。
選び方③:特定負荷型or全負荷型
特定負荷型か全負荷型かも選ぶポイントです。これらは、停電時の電力供給先に関するもので、特定負荷型はあらかじめ電気の供給先を指定する必要がありますが、全負荷型は停電時でも家中の電気をバックアップできます。
つまり、全負荷型は停電時でも家中で電気が使えますが、特定負荷型だと停電時は照明とエアコンだけなど、電気が使える場所が限定されてしまいます。
全負荷型の方が特定負荷型より電気を早く消費してしまうため、どちらを導入するかは事前に確認しておきましょう。
選び方④:倍速充電
倍速充電ができるV2H機器もあります。倍速充電ができると、一般的な200V充電用コンセントと比較して最大2倍の早さで充電可能です。
急な外出が多い、充電を忘れがちなどの方には倍速充電があると便利です。倍速充電に対応している機器なのかを確認しておきましょう。
選び方⑤:グリーンモード
太陽光発電の自家消費を優先する、グリーンモードを搭載しているV2H機器があります。グリーンモードでは、太陽光発電で発電した電力を家庭内消費へ充当し、余剰電力があれば家庭用蓄電池や電気自動車に充当します。
より電気を効率的に使えるシステムのため、必要かどうかを事前に検討しておきましょう。
選び方⑥:リモート操作
リモート操作も選ぶポイントの一つです。通常、V2H機器を操作する機会は少ないですが、停電時に供給電力先を手動で切り替える場合もあります。
スマホアプリでV2H機器を操作したり、稼働状況を確認できたりする物もあります。値段などと照らしあわせて検討しましょう。
選び方⑦:保証
V2H機器を選ぶ際は、保証も確認しておきましょう。V2H機器はメーカーごとに保証が異なります。
もしものときに利用できないと、困ってしまいます。保証内容や年数も異なるため、よく確認しておきましょう。
V2Hの設置費用
最後に、V2Hの設置費用を解説します。選び方でも値段は大事な要素だったため、確認しておきましょう。
下記3つの費用に分けて、解説します。
- 機器費用
- 工事費用
- その他費用
費用①:機器費用
機器費用の目安は、50万円~100万円ほどです。種類によって大きく値段は変わりますが、安いものでも40万円ほどかかります。
機器費用と機能を照らし合わせて、考えましょう。
費用②:工事費用
工事費用の目安は、30〜40万円です。工事費用は機器費用に比べて、あまり差が出ません。
工事費用は依頼する業者によって変わるため、見積もり段階で確認しておきましょう。
費用③:その他費用
その他費用には、諸経費や申請代行費が含まれます。相場は6~8万円ほどです。
その他費用は状況によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
V2Hの施工方法は特殊なため、流れが複雑です。しかし、システムを理解するとより有効的にV2Hを利用できるため、本記事を参考に把握しておきましょう。
また、V2H機器には、いくつか選び方のポイントがあります。より適切なV2H機器を選ぶために、本記事で紹介した選び方や費用相場を参考にしてください。
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〜V2Hの施工方法7ステップ〜
ステップ①:太陽光発電設備の設置
ステップ②:配管・配線工事
ステップ③:ブレーカーの取り付け
ステップ④:V2H機器の設置
ステップ⑤:各種接続工事
ステップ⑥:無線LAN整備
ステップ⑦:設定・動作確認
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