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公開:2022.10.07   更新:2023.05.19

断熱材とは?3つの種類と特徴・性能を徹底比較 | 選ぶ基準も解説

断熱材は今や、住宅に欠かせないものになっています。しかし、断熱材の中にも種類があり、知らないとどれを選べばいいか分かりません。断熱材にはそれぞれ特徴があるため、適切な断熱材を選ぶために知っておきましょう。

本記事では断熱材の概要と種類、選ぶ際のポイントを解説します。断熱材の導入を検討している方は、チェックしておきましょう。特に断熱材を選ぶ際は、本記事で紹介する4つの基準を参考に選ぶことが重要です。

 

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断熱材とは?わかりやすく解説

断熱材とは、熱を通さないようにする材料を指します。断熱は熱を伝導や対流、放射などによって伝わるのを防ぐことで、家づくりには欠かせません。断熱材を導入すれば、外からの暑さや寒さを遮り、夏は涼しく冬は暖かい家づくりが可能です。

断熱材は住宅から機械まで幅広い製品に使われており、身近なものだとクーラーボックスや羽毛布団スペースシャトルやロケットの外壁などにも使われています。

断熱材は今の生活に無くてはならない存在と言ってよいでしょう。

 

断熱材の種類3つの特徴・性能を徹底比較

断熱材には、主に3種類あります。主な断熱材の種類は、下記の3つです。

  1. 繊維系断熱材:価格が安くて燃えにくいが、断熱性能は劣る
  2. 発泡プラスチック系断熱材:断熱性能が高く加工しやすいが、有害ガス発生のリスクがある
  3. 天然素材系断熱:防音・吸湿性に優れているが、価格が高い

それぞれの特徴を詳しく解説します。

繊維系断熱材

繊維系断熱材はガラスを繊維状にして、繊維の間に空気を閉じ込めて作られた断熱材です。
繊維系断熱材の中でも、4つの種類があります。

 

繊維系断熱材①:グラスウール

グラスウールは最も手ごろで、よく使われている断熱材です。シロアリなどの害虫に強く、防音効果もあります。また、劣化しづらいです。ただ、グラスウールは吸湿性に乏しく、隙間が空いていると、結露が生じやすくなってしまいます。

 

繊維系断熱材②:ロックウール

ロックウール吸音性能や断熱性能に優れており、空港などでも使われています。燃えにくさや害虫に強いのもメリットです。しかし、ロックウールも湿気には弱いという性質があります。

 

繊維系断熱材③:セルロースファイバー

セルロースファイバーは古紙を再利用した繊維で、湿気に強いのも魅力です。環境にやさしく、防火性や断熱性も兼ね備えているため、バランスの取れた断熱材として人気があります。メリットは多いですが、価格はグラスウールの倍ほどになります。導入を検討する際は、予算と相談しましょう。

 

繊維系断熱材④:インシュレーションボード

インシュレーションボードは、植物繊維などの環境にやさしい素材で作られた断熱材です。文字通りボード状で、断熱性や吸音性に優れています。加工もしやすく耐久性も高いですが、価格はセルロースファイバー同様高めです。害虫に弱く耐火性もないため、あまりメインの断熱材として使われる例は多くありません。

 

発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系断熱材はプラスチックの細かい気泡の中に、空気を閉じ込めて作られた断熱材です。発泡プラスチック系断熱材の中でも、5つ種類があります。

 

発泡プラスチック系断熱材①:押出発泡ポリスチレン

押出発泡ポリスチレンはポリスチレンを連続で発泡させて作る断熱材です。薄くても断熱性が高く、水や湿気に強い特徴を持っています。加工しやすく安全性も高いですが、防火性と断熱性能はやや低めです。

 

発泡プラスチック系断熱材②:ビーズ法ポリスチレン

ビーズ法ポリスチレンは粒状のポリスチレンを方に入れ、発泡させて作る断熱材です。水に強く耐久性に優れ、結露防止にも役立ちます。ただ、断熱性能の割に価格が高く、防火性に乏しいのがデメリットです。

 

発泡プラスチック系断熱材③:硬質ウレタンフォーム

硬質ウレタンフォームは充填式の断熱材で、フロンガスなどの発泡剤を加えて作られます。高い断熱性や耐久性が魅力です。

 

発泡プラスチック系断熱材④:フェノールフォーム

フェノールフォームはフェノール樹脂と呼ばれる樹脂に、発泡剤や硬化剤などを加えてボード状に成型した断熱材です。有毒ガスがほとんど出ず、不燃・準不燃材料の認定を受けています。耐火性や耐熱性にも優れていますが、価格がかなり高いです。水や害虫に弱いことにも注意しましょう。

 

天然素材系断熱材

天然素材系断熱材は、自然素材で作られている断熱材です。天然素材系断熱材には、2つの種類があります。

 

天然素材系断熱材①:羊毛

羊毛は文字通り羊の毛で、調湿性に優れています。断熱性や耐久性、防虫効果にも優れており、メリットが多い素材です。価格の高さが唯一のデメリットと言えるでしょう。

 

天然素材系断熱材②:炭化コルク

炭化コルクは、ワイン栓などで使われているコルク樫の端材を炭化させた断熱材です。断熱性能や調湿性、吸音性が高いのがメリットで、防虫効果もあります。ただ、価格が高くなってしまうため注意しましょう。

断熱材には、それぞれ特徴があります。自分の家にはどれが必要なのかを検討して、適切な断熱材を導入しましょう。

 

断熱材を選ぶ4つの基準

断熱材を選ぶ際には、いくつか見るべきポイントがあります。断熱材を選ぶ際の基準は、下記の4つです。

  1. 熱伝導率・耐熱性
  2. 燃えにくさ
  3. 耐水性・耐湿性
  4. 有毒ガス発生が発生するか

断熱材の導入を検討している方は、参考にしてください。

 

ポイント①:熱伝導率・耐熱性

断熱材の性能を分かりやすく表現しているのが、熱伝導率と耐熱性です。熱伝導率は低い、耐熱性は高い方が、断熱性能が高いと言えます。断熱性能は高い方が、冬は暖かく過ごせて、電気代もかかりません。

もちろん断熱性能が優れている方がよいですが、一般的にコストも高くなります。断熱性能を重視するのか、コストを重視するのかを検討しましょう。

 

ポイント②:燃えにくさ

燃えにくさは重要なポイントです。万が一、火事になったときの燃え広がり方に影響します。燃えやすい素材を使っていると、隣の家にも燃え広がるリスクを考えなければなりません。そのため、燃えにくい断熱材を選んだ方がよいです。

万が一の事態も考慮して、燃えにくさも検討材料に入れておきましょう。

 

ポイント③:耐水性・耐湿性

耐水性・耐湿性は、水や湿気に強いかを表している基準です。水に濡れたり湿気を吸ったりすることで、性能が落ちてしまう断熱材もあります。特に、冬場は結露してしまうケースもあるでしょう。

耐水性の低い材料は、適切に対策する必要があります。通気層や防湿シートなどが、主な対策です。

 

ポイント④:有毒ガス発生が発生するか

有毒ガスが発生するかは、確認しておきましょう。万が一火災が発生したとき、有毒ガスの有無で安全性が大きく変わってきます。

自分の家が燃えたときはもちろん、隣の家が燃えたときにも、有毒ガスが発生しない素材を使っていた方が安全性が高くなります。

 

まとめ

断熱材には主に3つの種類があり、それぞれ特徴があります。コストが異なったり断熱性能が異なったりするため、自分の家に必要な断熱材を検討しましょう。

断熱材を選ぶ際には、断熱性能や燃えにくさなど、いくつか見るべき基準があります。基準を知っていると、適切な断熱材を選ぶことが可能です。断熱材を導入する際には、本記事で紹介したポイントを見て選びましょう。

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“施工事例から理想の住宅を見つけてみませんか?“

断熱材を選ぶ4つの基準

 

①:熱伝導率・耐熱性
②:燃えにくさ
③:耐水性・耐湿性
④:有毒ガス発生が発生するか

 

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この記事の監修

川出 明洋

川出 明洋

役職執行役員 所長・店長

保有資格AFP(ファイナンシャルプランナー2級)、ローンアドバイザー

2003年 建築学部を卒業後、アサヒグローバルホーム㈱入社。
住宅営業18年間、個人にて4年連続アサヒグローバルホームNo.1。
今まで個人にて累計1,500件以上の住まいづくり相談に関わり、注文住宅お引渡313棟(2021.12時点)
現在は責任者としてお客さまの住まいづくりに携わる。

# 構造・工法 #性能