公開:2022.10.21 更新:2024.11.13
V2Hとは?補助金や価格、対応車種などについてわかりやすく解説
近年、「V2H」という言葉を耳にするようになりました。V2Hは革新的なシステムで注目を集めていますが、V2Hが何かを理解している方は少ないのではないでしょうか。
V2Hは環境にやさしいシステムのため、今後も注目を集めるでしょう。将来的には、今よりも身近にV2Hがあることも考えられます。
本記事では、V2Hとは何かやメリット・デメリット、選ぶポイントなどを解説します。V2H導入を検討している方や、新築住宅をこれから建てようと考えている方は参考にしてください。
目次
V2Hとは
V2H(Vehicle to Home)とは「車から家へ」を意味しており、電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家に使い、有効活用するシステムです。V2Hを使うと、電気自動車に蓄えられた電気を家で使えるようになるため、非常用の電気として災害時などにも役立ちます。V2Hは電気自動車の新しい可能性として、近年注目を集めているシステムです。
一般的に家庭のコンセントから電気自動車の充電はできますが、電気自動車の電気を家に流すことはできません。V2Hを使うには、システムを導入する必要があります。
V2Hを導入すれば、停電時や災害時にも日常に近い生活を送れるでしょう。
V2Hのメリット5選
V2Hにはいくつかメリットがあります。V2Hのメリットは、下記の5つです。
- 電気代が節約できる
- 一般的な蓄電池と比べて電気自動車の電池容量が大きい
- 電気自動車の充電時間が短くなる
- 災害時の非常用電源を確保できる
- 補助金が受け取れる
V2Hに興味がある方は、把握しておきましょう。
メリット①:電気代が節約できる
V2Hを導入すると、電気代を節約できます。方法は、夜間に電気自動車に充電しておいて、日中は電気自動車から電気を供給する方法です。
現在は電気会社のプランで、夜間の使用料金が安くなるプランがあります。このプランに入っておけば、夜間に充電することで電気代を節約可能です。
夜は電気自動車を利用する機会も少ないため、理にかなっていると言えるでしょう。
メリット②:一般的な蓄電池と比べて電気自動車の電池容量が大きい
電気自動車の電池容量は、一般的な蓄電池と比べて大きいケースが多いです。通常、一般的な家庭用蓄電池は4~12kWhの容量ですが、電気自動車は車種によって10〜100kWhあります。一般的な家庭では1日の平均的な消費電力は6.1kWhと言われていますので、電気自動車には1日分以上の電力を蓄電しておくことができます。
電池容量が大きいということは、長い時間電気を使えるということです。災害時は特に電気が必要なため、長い時間電気を使えるのはメリットと言えます。
メリット③:電気自動車の充電時間が短くなる
V2Hを導入すると、電気自動車の充電時間が短くなります。通常の家庭用200Vコンセントは3kWですが、V2Hから出る供電装置は倍の6kWです。
充電時間で見ると、V2Hは通常の家庭用200Vコンセントの約半分の時間で充電できます。充電時間が短縮されれば、外出時に充電できていなかったという事態を防ぎやすいです。
メリット④:災害時の非常用電源を確保できる
V2Hは災害時の非常用電源になります。電気自動車に電気が蓄えられているため、電気が止まっていても非常時に電気を使用可能です。
地震が多い日本では、いつ電気が止まるかも分かりません。もしものときのために、非常用の電源を確保しておくと、安心にもつながります。
また出力が蓄電池や太陽光と比べ、3倍程度高いためたくさんの機器を同時使用することが可能です。
災害時ほど電気は必要になるため、災害対策として導入しておくことをおすすめします。
メリット⑤:補助金が受け取れる
V2Hは電気を有効活用するシステムであることから、自治体によっては補助金を受け取れます。EVやPHEVなどのエコカーに対しての補助金もあれば、V2Hに対しての補助金もあります。補助金の有無や内容は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域を確認してみましょう。
補助金が受け取れれば、V2H設置時の負担を減らせます。V2Hは高額なシステムですが、一定条件を満たせば、その半額を国や自治体からの補助金で補うことが可能です。また国として普及していきたいシステムであるため、今後も補助金がなくなる可能性は低いと見られています。
V2H導入の際は、必ず補助金の有無を確認することをおすすめします。
【関連記事】V2Hの施工方法7ステップ!選び方や設置費用も解説
V2Hのデメリット3選
V2Hにはいくつかデメリットもあります。V2Hのデメリットは、下記の3つです。
- 対応車種が決まっている
- 電気自動車のバッテリーが劣化する
- 瞬間的な停電の可能性がある
V2H導入を考えている方は、確認しておきましょう。
デメリット①:対応車種が決まっている
V2Hは今のところ対応車種が決まっています。そのため、どの電気自動車でもV2Hを導入できるわけではありません。
有名な車では、日産のリーフやトヨタのプリウスが対応しています。V2Hを導入する際は、V2H対応車種か確認するようにしましょう。
デメリット②:電気自動車のバッテリーが劣化する
V2Hを導入すると、電気自動車のバッテリーが劣化してしまいます。一般的な家庭用蓄電池と比べると、電気自動車のバッテリーは耐久性が高いです。そのため急激な劣化は考えづらいですが、徐々にバッテリーは劣化していきます。
車を大事にしたい方は、慎重に検討しましょう。
デメリット③:瞬間的な停電の可能性がある
V2H使用中に、瞬間的な停電の可能性があります。これは、電気自動車からの給電中に電力会社の電気は使えない仕様によるものです。
家で使っている電気量が電気自動車からの供給量を上回ると、給電が停止され、電気会社の電気に切り替わります。この際、一瞬停電が起こるのは避けられません。
家で複数の家電を使うときなどは、注意しましょう。
V2H導入の4ステップ
V2Hを導入するには、いくつか手順があります。V2H導入の流れは、下記の4ステップです。
- 施工業者へ依頼
- 現地調査
- 工事契約
- 工事開始
V2H導入を検討している方は、流れを把握しておきましょう。
ステップ①:施工業者へ依頼
まずは、施工業者へ依頼しましょう。V2Hは屋内配線が複雑なうえ、電力会社からの承諾が必要です。そのため、V2H機器の販売・施工を行っている施工業者に依頼するのが基本になります。
また、V2Hは特殊な機器のため、一般には販売されていません。自分で取り付けることはできないため、施工業者に依頼するようにしましょう。
新築住宅建築時にはハウスメーカーが対応してくれる場合もあるため、確認してみましょう。
ステップ②:現地調査
施工業者へ依頼すると、次は現地調査です。実際に施工業者が家に来て、V2H機器の設置場所や配線の経路を決め、工事費の見積もりを行います。
ステップ③:工事契約
現地調査が完了すると、工事の契約を結びます。V2H機器を家庭で使用するためには、申請が必要です。
申請期間は、太陽光発電が設置されていれば約1~2カ月、太陽光発電が設置されていなければ約5~6カ月です。
ステップ④:工事開始
無事、申請が通れば工事が開始されます。工事が終わると、V2Hシステムが使えるようになります。
V2Hを選ぶポイント
V2Hにはいくつか種類があります。V2Hを選ぶ際には、下記のようなポイントを見るとよいでしょう。
- 価格
- サイズ
- 電力供給タイプ
- メーカー保証
- 停電時の最大出力
- 倍速充電できるか
- 操作性
それぞれの家に合ったV2Hは異なるため、施工業者へ依頼するときに相談しましょう。
V2H機器の価格
V2H機器の価格相場は約50~100万円です。V2Hを導入する際は高額になりやすいため、補助金が受け取れるかどうかは確認しておきましょう。
また、定額利用も可能で、月額約1万円で利用できるサービスもあります。定額利用はお住いの地域で提供されているか、事前に確認しておきましょう。
V2H機器の設置費用
V2H機器の設置費用は、約30〜40万円が相場です。新しく太陽光発電システムを導入する場合は、ソーラーパネルの本体費用に加え、設置工事費用が別途必要になります。
V2H機器の補助金について
V2H機器を導入すると、補助金を受け取れる自治体があります。主に受け取れる補助金は、下記のとおりです。
- CEV補助金
- DP補助金
- DER補助金
- クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金
V2H機器の補助金については、「【2022年最新】V2H補助金の種類4選!条件や注意点も解説」で詳しく解説しています。
まとめ
V2Hは電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家に使い、有効活用するシステムです。災害時の非常用電源にもなることから、近年注目を集めています。
V2Hにはメリット・デメリットがあるため、導入を検討している方はチェックしておきましょう。
また、V2Hはいくつか種類があります。本記事で紹介したV2Hを選ぶポイントや価格相場を参考に、最適なV2Hを選んでみてください。
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〜V2Hのメリット5選〜
メリット①:補助金が受け取れる
メリット②:一般的な蓄電池と比べて電気自動車の電池容量が大きい
メリット③:電気自動車の充電時間が短くなる
メリット④:電気代が節約できる
メリット⑤:災害時の非常用電源を確保できる
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