公開:2022.07.21 更新:2023.03.13
注文住宅の見積書に記載される内訳と相場を紹介!見るべきポイントとは?
注文住宅を建てる際は、さまざまな支払いが必要になります。しかし、工務店や設計事務所が作成する見積書には正式な形はなく、内訳の理解が難しいと感じる方も多いでしょう。
そこで、本記事では注文住宅の見積書に記載される項目や内訳、相場などについて詳しく解説します。
目次
注文住宅の見積書に記載される3つの項目
注文住宅の見積書に記載されているのは次の3つの項目です。
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 諸費用
注文住宅の見積書をより理解できるよう、ここでは詳しい内容について解説します。
建物本体にかかる「本体工事費」
注文住宅の見積書に記載される本体工事費は、その名の通り建物本体にかかる費用のことです(建物本体価格と言われることもあります)。主に基礎工事の他に内装や外装、その他の設備などが含まれます。
本体工事費は家の面積以外に使う部材によって大幅に費用が左右されるのが特徴です。例えば、外壁や内壁、柱などの構造材に使う木材の種類でも違いがあります。
また、キッチンやお風呂、トイレなどの設備工事や配管工事なども含まれています。ただし、厳密に決まっているわけではなく、これらの内容が付帯工事として記載されているケースも少なくありません。
建物本体以外にかかる「付帯工事費」
付帯工事費とは、庭や門扉などの外構工事や給排水工事などが含まれます。もし、土地の地盤改良が必要な場合はその費用も付帯工事に記載するケースがあります。ただし、別途費用として記載する場合もあるので、確認が必要です。
また、建売住宅の場合は土地と建物の価格の他に、オプションで選べる設備・内装をあらかじめ備えた家を購入します。一方、注文住宅は自由に選べる反面、オプション料金も高額になりがちです。
特に、電気配線工事やガス管引き回し工事、水道引き込み工事はそれぞれメーターを取り付ける場所や配管を通すルートが異なることから、追加工事として行うケースが多く見られます。
その上、オール電化や蓄熱暖房、床暖房といった高断熱の家を建てる場合は、さらに付帯工事費が高くなる可能性もあるため、注意しましょう。
各種手数料を含む「諸費用」
注文住宅の見積書に記載される諸費用は、住宅ローン手数料や住宅を登記する費用、火災保険をはじめとした保険、その他固定資産税や不動産取得税などの税金関連が含まれます。主な諸費用をまとめましたので、参考にしてみてください。
- 登記費用
- 固定資産税・都市計画税
- 不動産取得税
- 設計監理料
- 上下水道の加入金
- 式祭典費用(必要な場合)
- 住宅ローン保証料
- 火災保険費用
- 抵当権設定費用
- 印紙税
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各項目における内訳と相場
ここでは、各項目における内訳と相場を解説します。あくまで目安ではありますが、いずれも参考として把握しておくと、実際に注文住宅を建てる準備をしやすくなります。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
本体工事費「70~80%程度」
注文住宅の本体工事は建物にかかる費用のことを指し、総費用の「70〜80%程度」が相場といえます。つまり、総額が「3,000万円」の注文住宅であれば「2,100万円〜2,400万円」が本体工事費にかかるということです。
付帯工事費「10~20%程度」
注文住宅の付帯工事費には建物以外に庭や門、その給排水工事などが含まれ、相場は総費用の「10〜20%程度」です。総額が「3,000万円」の場合、付帯工事費に「300万円〜600万円程度」は予算として確保しておく必要があります。
諸費用「5~10%程度」
注文住宅の諸費用は総費用の「5〜10%」が相場で、「3,000万円」を総額で支払いをする場合の諸費用は「150万〜300万円」になります。諸経費は基本的に現金での支払いとなるため、事前に準備をしておく必要があります。
注文住宅における見積書の内訳を見る際の注意点
注文住宅における見積書の内訳を見る際に次の注意点が挙げられます。
- 施工会社ごとに内訳の書き方が異なる
- 同じ仕様でも坪単価が異なるケースがある
- 一式や一箇所といった表記には注意が必要
- 見積書に含まれない項目がある場合も
後から後悔することがないよう、それぞれの詳しい内容について解説します。
施工会社ごとに内訳の書き方が異なる
前述の通り、注文住宅の見積書に決まった形式はありません。そのため、施工会社によって見積書における内訳の書き方は異なります。
そこで「坪単価×坪数=家の本体価格」という公式に当てはめると、おおよその家の本体価格が見えてきます。ただし、必ずしも「本体価格=総工事費」にはならない点には注意が必要です。
同じ仕様でも坪単価が異なるケースがある
同じ仕様の家であっても、坪単価が同じとは限りません。例えば、施工業者によって外構費用や空調などの費用が含まれている場合と含まれていない場合があります。
一般的に工務店の見積もりには含まれており、メーカーの見積もりには含まれていないケースが多く見られます。
一式や一箇所といった表記には注意が必要
一つひとつの作業内容を詳しく記載せず「一式」や「一箇所」といった表記でまとめている見積書には注意が必要です。一式や一箇所といった表記はあとから工事内容を変えることができます。その結果として、多額の追加費用が必要になるケースも少なくありません。
見積書に含まれない項目がある場合も
見積書に記載される内容がすべてとは限りません。主に見積書に記載しない内容として、施工業者では請け負えない際のエアコンの取り付け工事や、照明器具の設置などが挙げられます。
これらは施主側で手配するケースがほとんどです。施工業者が提示する見積もり以外にも必要な費用が発生することを念頭に置き、資金計画を立てる必要があります。
また、業者によっては本体工事費や付帯工事費のみを記載して、諸費用が含まれていない場合があります。見積もり総額だけを見ると安く感じるかもしれませんが、このような落とし穴がある場合も考えられるため十分に注意してください。
まとめ
注文住宅を建てる際は必ず見積書を確認することになります。しかし、見積書の書き方に決まりはなく、それぞれ異なる形で記載しています。そのため、見積書の内訳を詳しく確認していないと、あとから高額な追加費用が生じる事態になりかねません。
また、見積書は必ず数社に依頼をして内容を比較することが大切です。同じ工事内容であっても費用が異なったり、不要なオプションが付加されていたりするケースも少なくありません。
正しく見積もり内容を比較するためにも、内訳の見方について理解を深めておきましょう。