公開:2023.07.17 更新:2023.07.19
地鎮祭とは?服装やのし袋の書き方、流れについて解説
家を建てる前に行う「地鎮祭」。
工事の無事を祈り、末永く安全に暮らせるように祈願する伝統的な儀式です。
しかし「地鎮祭は行ったほうが良いのか」「費用はどのくらいかかるのか」疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、地鎮祭を実施する理由から必要な費用、当日の流れまでを詳しく解説します。さらに、のし袋の書き方やお供え物の準備についても紹介します。
地鎮祭を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
地鎮祭とは?
まず、地鎮祭(じちんさい)について説明します。
地鎮祭とは、家づくりが無事に成功し、末永く安全に暮らしていけるように祈願する儀式のことです。
その土地の神様に、土地を借りることを報告するという意味も込められています。
伝統的な儀式として大切にされているだけではなく、建設に関わる方や近隣の方への顔合わせ・挨拶の場としても貴重な機会となっています。
また、家づくりの良い思い出になると考える人も少なくありません。
一方で、都内を中心に地鎮祭を行わないケースも増えています。最近は、建売住宅では地鎮祭をしないことが増えました。
地鎮祭を行うかの判断は、お施主様に任せられます。もし地鎮祭を実施しないと決めた場合は、早めに工務店に伝えましょう。
地鎮祭にかかる費用
ここでは、地鎮祭にかかる3つの費用について紹介します。
- 初穂料または玉串料
- お供え物
- その他(挨拶回りの手土産・お車代など)
それぞれ詳しく解説します。
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費用①:初穂料または玉串料「2〜5万円」
まず1つ目にかかる費用は、初穂料(はつほりょう)または玉串料(たまぐしりょう)です。
初穂料と玉串料は、どちらも神主さんに渡すお金のことを指します。古くからの名残で2通りの呼び名がありますが、どちらも間違いではありません。
初穂料・玉串料の相場は、2〜5万円です。ただし、地域差があるため、工務店に相談すると安心です。
初穂料・玉串料はのし袋に収めて渡します。のし袋の書き方は記事の後半で解説していきます。
費用②:お供え物「5,000〜1万円」
2つ目にかかる費用は、お供え物です。
お供え物は、奉献酒(ほうけんしゅ)・お米・塩・果物・野菜などを、5,000〜1万円ほどで準備します。ちなみに奉献酒とは、神様にお供えするお酒のことです。
工務店によっては、あらかじめ地鎮祭にかかる諸費用を建築費用に含め、工務店側で準備をする場合もあります。
地鎮祭をする際は、お供え物を誰が準備するのか事前に確認しておきましょう。
費用③:その他(挨拶回りの手土産・お車代など)
その他にも、挨拶回りの手土産代・神主さんのお車代・仕出し弁当代(冠婚葬祭などの正式な場で提供する弁当)などの費用がかかることがあります。
それぞれの相場は以下の通りです。
項目 | 金額 |
挨拶回りの手土産 | 500〜2,000円×挨拶に伺う家数 |
神主さんのお車代 | 5,000〜1万円 |
仕出し弁当 | 1,000〜3,000円×参加者の人数 |
神主さんが車で来るのか、仕出し弁当が必要なのかは、お施主様では判断が難しいことも。また、手土産の金額に地域差がある場合もあります。
事前の打ち合わせで「どこまでの準備が必要か」「どのくらいの予算が適切なのか」を工務店に相談しましょう。
地鎮祭で押さえておきたいポイント3選
ここでは、地鎮祭で押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
- 服装
- のし袋(初穂料)の書き方
- 近隣の方への挨拶回り
それぞれ解説します。
ポイント①:服装
地鎮祭に参加する際の服装は、特に指定はありません。
しかし、神主さんや工務店の担当者は正装のため、男性であればスーツ、学生であれば制服などを着用して参加する人が多くいます。
決まったルールはありませんが、過度な露出や派手な柄は避け、清潔感のある服装で参加しましょう。
また、地鎮祭後に挨拶回りに行く場合は、印象の良い服装を心がけるのがおすすめです。
ポイント②:のし袋(初穂料)の書き方
前述した通り、地鎮祭では、神主さんにのし袋に収めた初穂料(串玉料)を渡します。
のし袋には、黒色の毛筆や筆ペンで名目・氏名を書きます。のし袋の書き方は以下の通りです。
- 水引より上の中央に、大きめの文字で「御初穂料」または「初穂料」と記入
- 水引の下には、「名目」より少し小さめの字で「代表者名」を記入
なお、連名で渡す場合は、中央に代表者(夫)、左側に連名者(妻)の名前を書きましょう。
ポイント③:近隣の方への挨拶回り
地鎮祭後は、工務店の担当者と一緒に近隣の方へ挨拶回りに行く場合があります。
近隣の方への挨拶は「向こう3軒両隣(家の向かい3軒と両隣2軒)」にすることが一般的です。
その他にも、工事車両の出入りで迷惑がかかる家や、騒音などが予想される家への挨拶も必要です。
また、地域によっては、自治会・町内会に挨拶する場合もあります。
気持ちよく暮らしていくためにも、地域のルールを事前に確認しておくと良いでしょう。
地鎮祭の流れ
ここでは、地鎮祭の流れを分かりやすく説明します。
進行は工務店が行うため、詳細を覚えていなくても問題ありません。しかし、全体的な流れや意味を把握しておいたほうが、儀式をより深く理解できます。
一般的な流れは以下の通りです。
順序 | 名称 | 儀式の内容 |
1 | 手水(てみず) | 儀式を始める前に、手水桶を使って両手を洗う。 |
2 | 修祓(しゅばつ) | 参列者・お供え物を清める。 |
3 | 降神(こうしん) | 神籠に土地の神様を迎える。 |
4 | 献饌(けんせん) | 神様にお供え物を食べていただく。 |
5 | 祝詞奏上(のりとそうじょう) | 土地を借りることを神様に伝え、工事の無事を祈る。 |
6 | 清祓・散供(きよはらい・さんく) | 土地の四隅をはらい清め、米・塩などをまく。 |
7 | 地鎮(じちん) | 忌鎌(いみがま)で草を刈る動作を行った後、盛砂に鎌(かま)・鍬(くわ)・鋤(すき)を入れる。 |
8 | 玉串拝礼(たまぐしはいれい) | 神様に玉串を差し上げ、拝礼する。 |
9 | 撤饌(てっせん) | お供え物を下げる。 |
10 | 昇神(しょうしん) | 神籠に降りていた神様をもとの場所に送る。 |
お施主様が実際に行動するのは、7つ目の「地鎮」と8つ目の「玉串礼拝」です。
「地鎮」では、鍬(くわ)で盛砂を「えい!」の掛け声と共に、3度掘る仕草をします。「玉串礼拝」では、神主さんから玉串を受け取り、玉串台へ供え、二礼二拍一礼します。
地鎮祭の後に直会(なおらい)と呼ばれる食事会をすることもあります。また、直会はせずに、仕出し弁当を渡して解散するケースも考えられます。
具体的な流れは、工務店が把握しているため、事前に確認しておくとスムーズです。
儀式自体は30分程ですが、準備や片付けを含めると1時間半から2時間程かかります。
地鎮祭までに用意するもの・準備すること
ここでは、地鎮祭までに用意や準備が必要な5つの項目を紹介します。
- 日取り決定
- 神主さんの手配
- 参加者の確認
- お供え物
- 神主さんに渡す手紙
地鎮祭を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
用意①:日取り決定
まずは日取りを決めます。
一般的には、大安・先勝・友引の午前中に実施すると良いと言われています。
しかし、家族・神主さん・工務店の関係者の日程を合わせる必要があるため、六曜にこだわりすぎずに、柔軟に調整することが重要です。
希望の日程がある場合は、早めに工務店に相談しましょう。
用意②:神主さんの手配
日程が決まったら、神主さんの手配に進みます。
予定日の1か月前には手配を済ませておくと安心です。
なお、地鎮祭は神式で行うケースがほとんどですが、お寺への依頼や起工式(キリスト教式)で行うことも可能です。
工務店は地鎮祭のさまざまな依頼に慣れているため、相談しながら進めましょう。
用意③:参加者の確認
事前に参加者の確認をしておくと、当日をスムーズに迎えられます。
地鎮祭に出席するのは、お施主様・神主さん・工務店・工事関係者です。
具体的な人数は工務店に確認しましょう。
用意④:お供え物
お供え物の準備は、お施主様に任される場合もあります。
お供え物は、奉献酒(のし紙付きの酒)を一升と、米・塩・水を一合ずつ、海の幸・季節の野菜・季節の果物を3種類ほど用意します。
用意⑤:神主さんに渡すお金
神主さんに渡すお金も事前にしっかりと準備しておきましょう。金額は2〜5万円が相場です。
また、のし袋や車代の用意も重要です。当日に焦ることのないよう、事前に準備しておきましょう。
まとめ:地鎮祭を行なって安心・安全に暮らしましょう
工事の安全を祈り、長く安全に暮らすために行う「地鎮祭」。
最近は実施しない人も増えていますが、行うことで安心できる人もいるでしょう。また、家づくりに関わる人達に挨拶ができる大切な機会でもあります。
準備が大変だと感じるかもしれませんが、工務店に相談することでスムーズに実施できます。
これから家づくりが始まる人は、地鎮祭を行って安心・安全に暮らしましょう。
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地鎮祭を行って安心・安全に暮らす準備をしましょう
地鎮祭で押さえておきたいポイントは、以下の3点です。
ポイント①:服装
ポイント②:のし袋(初穂料)の書き方
ポイント③:近隣の方への挨拶回り
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これから家づくりが始まる人はぜひ参考にしてください。