公開:2024.02.20
住宅における気密性の本当の重要性とは?快適な家づくりのヒントを解説
理想の住まいを実現するなかで、内装や外装、間取りにこだわるのはもちろんですが、住み心地のよさを重視したいと考える人も多い傾向です。断熱性や気密性の高い家なら、一年を通して快適に過ごせるので、自宅で過ごす時間をより充実させられるでしょう。
この記事では、家づくりにおいて気密性がどれほど重要であるか詳しくまとめました。
本当に住み心地のよい家づくりを実現するためにできることも解説しているので、これからマイホームを建てようとしている人はぜひ参考にしてください。
目次
気密性とは
そもそも気密性とは、延べ床面積に対する家の中にある隙間の総量の割合です。
気密性の高い住宅は、隙間の量が少ない住宅と言い換えられ、室内と屋外の空気をしっかりと分断できるようになります。一方、気密性が低い住宅は隙間の量が多いため室内を快適な環境に保ちにくく、冷暖房の効き目もイマイチになりがちです。
気密性が高ければ高いほど室内の温度や湿度を調整しやすくなり、一年を通して快適な空間を保ちやすくなります。
気密性の高い家にすることで冷暖房の使用量を抑えられ、省エネはもちろん、環境に配慮できるメリットも。
ただし、気密性だけを高めればよいわけではなく、断熱性も高めて「高気密・高断熱な家」を目指すことが、快適な空間づくりに欠かせません。
気密性の計算方法と高性能住宅の基準値
気密性の高さが快適な家づくりに欠かせないのは先ほど解説したとおりです。
ここでは、気密性の計算方法と高性能な住宅の基準値について具体的に解説します。
気密性はC値で表せる
気密性を表す指標には「C値(相当隙間面積)」があります。C値の計算式は以下のとおりです。
C値(㎠/㎡)=家の中にある隙間面積の合計(㎠)÷延べ床面積(㎡)
たとえば、延べ床面積が120㎡、隙間面積の合計が600㎠の場合、C値は5(㎠/㎡)と計算できます。
なお、C値を算出する際は「気密測定」と呼ばれる検査方法が確立されているので、気密性は実測して求められるのが大きな特徴です。
逆に、断熱性能は計算上の理論値は出せるものの実測値を出せないため、断熱性能が本当に確保されているか分からない点も覚えておきましょう。
高性能住宅と言えるC値の基準値
現在、「C値の数字が何であれば高性能住宅である」という明確な基準はないものの、工務店の間では以下の基準が一つの暗黙の了解とされています。
- C値が2~4.9 (はがき1~2枚程度の隙間):快適性を求めるには低レベル
- C値が1.0(はがき半分程度の隙間):省エネ性の高い住宅
- C値が0.5以下(十分な気密性):海外先進国の高性能住宅と同レベル
つまり、高性能住宅と呼べるにはC値が1を下回るのが一つの基準です。
これから家づくりをする人は、快適さについて工務店を比較検討する指標として、C値が1を下回るかどうかチェックするとよいでしょう。
ただし、工務店によってはC値も理論値として算出しているだけで、実際に建てた住宅の気密測定を実施しないケースもあるので注意が必要です。
気密性が重要である2つの理由
家づくりにおいて気密性が重要である理由を2つ解説します。
- 計画的に換気を行うため
- 断熱性能を高めるため
理由①:計画的に換気を行うため
気密性の高さは、計画的な換気をするために欠かせません。
なぜなら、気密性の低い住宅は隙間が比較的多く、換気システムを稼働させても予期せぬ場所・隙間から空気が漏れてしまうからです。
築年数の長い住宅の場合、いわゆる「すきま風」が発生して、暖房を使っても室内がなかなか暖まらない経験をしたことがある人もいるでしょう。
隙間が多いと意図したところから給気と排気ができず、思うように熱交換ができなくなります。
言い換えると、隙間の少ない高気密な家であれば計画的に換気ができて、室内を快適な空間に保ちやすいのです。
理由②:断熱性能を高めるため
気密性の高さが重要である2つ目の理由は、断熱性能を高めるためです。
気密性が高いほど家の中の隙間は少なくなるため、暖めた空気が屋外に漏れ出る事態を防げます。一方、空気が漏れた分、外気から冷たい空気を取り込んでしまうため、冬場は底冷えしてしまうのです。
仮に、断熱性能は同じで気密性が異なる住宅があった場合、気密性の低い住宅に比べて高い住宅のほうが断熱性能は高まります。
気密性が高ければ断熱性能も効果を発揮しやすくなり、冷暖房の効きもよくなるので、光熱費の削減につながるでしょう。
家づくりで後悔しないためのポイントを把握しておきたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】家づくりで後悔しないためのポイント”4つ”~よくある事例をもとに解説~
断熱性能だけでは意味がない?住み心地のよさに気密性は不可欠
気密性と断熱性に関して、両者の大きな違いは性能の高さを実測できるかどうかという点です。
断熱性は使用される断熱材の厚みや性能値、密度によって左右されますが、あくまで性能を数値化しただけで、住み心地のよさに直結するわけではありません。
一方、気密性の場合は、実際に建てた住宅からC値を計算するため、気密性の高さは住み心地のよい家づくりの土台になります。
このように、本当に住み心地のよい家にするには、断熱性能を確保したうえで、気密性を高くする必要があるのです。
冬場の服装をイメージするとわかるように、厚いニットの上にウインドブレーカーやコートを羽織れば、暖かく快適な状態をキープできます。どちらかが欠けると寒さを感じてしまうのと同じで、本当に快適な家づくりをするには、断熱性能と気密性の両方を重視することが大切です。
断熱材の特徴や種類について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】断熱材とは?3つの種類と特徴・性能を徹底比較 | 選ぶ基準も解説
本当に気密性の高い家づくりのためにできること
住み心地のよい家づくりのためには、断熱性能の確保と、C値が1を下回るような気密性の高さが求められます。
ここでは、気密性の高い家づくりのためにできることを解説します。
気密性の測定方法に注目
気密性の高い家づくりを実現するには、測定方法に注目するのがおすすめです。
気密性の測定方法には、測定のタイミングによって「中間気密測定」「完成気密測定」の2種類があることを覚えておきましょう。その上で、工務店を比較する際は以下のポイントを確認するようにしてください。
- 施工時に気密性を実測しているかどうか
- 測定するタイミングは中間・完成時のいつなのか
- 過去に測定したC値の実測値の平均
- C値の目標値と実測値がずれていた場合の対応
そもそも、C値の測定は義務化されていないため、工務店によっては測定していないケースもあるようです。また、気密測定をしたとしても、完成時に測定して目標値に達していない場合は是正を求めるべきでしょう。
気密性の高さは施工品質の高さに直結するため、施工途中で気密測定をする「中間気密測定」を実施している工務店を選ぶとよいでしょう。
アサヒグローバルホームは中間気密測定が原則
当社では、気密性の高い家づくりをするために、中間気密測定を原則としています。
施工途中に気密性を確認することで、内装を完成させる前に隙間を埋めることが可能です。その結果、完成時の気密性も担保でき、高い断熱効果も発揮します。
中間気密測定でC値が高い状態を放置したまま施工を進めると、隙間を作った状態で壁というフタをしてしまい、断熱性能も下がってしまうのです。
本当に気密性の高い家づくりを実現するには、気密測定のタイミングが重要であることを覚えておきましょう。
アサヒグローバルホームでは全棟気密保証付き
当社の家づくりでは、プレミアム仕様以上という条件つきですが、全棟気密保証付きとして「C値:0.57以下」をお約束しています。
一般的な高性能住宅として期待されるC値は1なので、基準をはるかに上回る気密性を実現する施工品質の高さはお任せください。
プレミアム仕様に限らず、当社が2019年度に行った実邸サンプリング調査では、C値は「0.5〜0.7」という結果でした。
気密性の高い家づくりを進めたい方は、アサヒグローバルホームにお任せください。
まとめ:気密性の高い家づくりで快適・エコな住まいを実現
快適な住空間の実現には、断熱性能だけでなく気密性の高さに着目する必要があります。
気密性の高さはC値で示され、断熱性能とは異なり実際の住宅で測定できるため、工務店を比較検討する際はC値の実測値と測定方法に注目しましょう。
アサヒグローバルホームでは、プレミアム仕様以上にはなりますが、高性能住宅の基準値となる「C値:1」を大きく上回る「0.57以下」をお約束いたします。
気密性の高さを体感したい方は、来場予約ページにてご予約いただき、ぜひ当社の住宅展示場までお越しください。