公開:2024.05.22
木造一軒家が多いのはなぜ?鉄骨造との違いやメリット・デメリットを解説
土家づくりを進めるなかで、「木造一軒家が多いのはなぜ?」と疑問に思う方も多いでしょう。
実に一軒家の90%以上は木造住宅であり、ほとんどの住宅が木造だと言っても過言ではありません。
後悔しない家づくりを進めるためには、木造住宅の特徴や他の構造との違いを理解しておくことが重要です。
そこでこの記事では、木造住宅と鉄骨造との違い、木造一軒家のメリット・デメリットを解説します。
木造の一軒家は寒いのかなども紹介するので、家づくりの参考にしてください。
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目次
一軒家の90%以上は木造住宅
木造住宅とは、土台や柱などの構造体に木材を使った住宅のことで、杉やヒノキなどを使用する傾向にあります。
国内における一軒家の木造住宅が占める割合は90%以上となっており、実際の住宅数は以下の通りです。
種類 | 住宅数 | 割合 |
木造 | 26,616,300 | 92.5% |
非木造 | 2,143,300 | 7.5% |
総数 | 28,759,600 | 100% |
また、非木造に含まれる住宅の種類は、以下の通りとなります。
- 鉄筋・鉄骨コンクリート造
- 鉄骨造
- その他
「鉄筋・鉄骨コンクリート造」や「鉄骨造」はよく耳にする言葉ですが、一軒家の構造においては木造が圧倒的に主流です。
引用元:総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 調査の結果
木造・鉄骨・RC造の一軒家の違い
住宅の構造体に木材を使用している一方で、構造体に鉄骨を利用している住宅を「鉄骨住宅」と呼びます。
また、「RC造住宅」とは住宅の骨組みを鉄筋で行い、鉄筋周囲をコンクリートで固めた住宅のことです。
木造・鉄骨・RC造の一軒家の違いは、以下の通りとなります。
寿命・耐用年数 | 耐震性 | 防音性 | |
木造 | 22年 | ◯ | ◯ |
鉄骨 | 19〜34年 | ◎ | ◯ |
RC造 | 47年 | ◎ | ◎ |
他の構造と比較しながら、木造住宅について理解を深めていきましょう。
寿命・耐用年数
木造・鉄骨・RC造の寿命・耐用年数はRC造が最も長く、以下の通りです。
寿命・耐用年数 | |
木造 | 22年 |
鉄骨 | 19〜34年 |
RC造 | 47年 |
ただし、正確には「寿命」と「耐用年数」には違いがあるため、認識しておきましょう。
- 寿命:経年劣化により建物に住めなくなる状態を指す
- 耐用年数:資産価値がある年数を意味する
耐用年数を過ぎても、メンテナンス次第で木造住宅も長く快適に暮らすことが可能です。
実際に、歴史的建造物はいずれも木造建築で、世界最古の木造建築と呼ばれる法隆寺は1300年以上も維持されています。
耐震性
木造住宅よりも鉄骨造・RC造のほうが耐震性は高いとされるものの、設計や鉄筋の量などの条件にもよるので一概には言えません。
住宅の耐震基準は建築基準法によって定められており、使用する材質による耐震性能の違いに大差はないと考えられています。
構造の違いだけではなく、地震に対する建物の強さを表す「耐震等級」をチェックすることが重要です。
防音性
耐震性同様に防音性も鉄骨造・RC造のほうが高いと認識されがちですが、木造住宅も気密性が上がっているので、さほど気にならないレベルです。
また、内壁・外壁に使用する素材や窓の種類などの条件によっても防音性は左右されるため、構造だけで判断するのは注意が必要になります。
住宅の気密性について理解を深めたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】住宅における気密性の本当の重要性とは?快適な家づくりのヒントを解説
木造の一軒家は寒いのか
木造・鉄骨造など「この構造であるから寒い」ということはなく、寒さを決めるのは住宅の断熱性や気密性です。
住宅に採用する窓や素材などを工夫することで、断熱性や気密性を確保できます。
また、木造の一軒家は寒いイメージがありますが、鉄骨造・RC造よりも木造のほうが断熱性に優れており、外の寒さが伝わりにくい性質を持ってるのも特徴です。
木造一軒家のメリット3選
木造一軒家のメリットは、以下の3つです。
- 鉄骨やRC造に比べて建築を抑えられる
- 耐火性がある
- 調湿性や通気性がある
メリットを最大限に活用して、木造一軒家を満喫しましょう。
メリット①:鉄骨やRC造に比べて建築費を抑えられる
木造一軒家は、鉄骨造やRC造に比べて建築費用を抑えられるのが大きな魅力です。
構造別の坪単価は、以下の通りとなります。
種類 | 坪単価 |
木造 | 約66万円 |
鉄骨造 | 約97万円 |
RC造 | 約95.4万円 |
木造であれば建築費用は鉄骨造やRC造の3分の2程度で済むため、リーズナブルです。
木造一軒家が建築費用を抑えやすい理由は、以下の通りとなります。
- 構造体が軽く基礎工事に手間がかからない
- 土地の改良費用を軽減できる
- 下処理が比較的簡単に済む
また、鉄骨造やRC造は工期が長くなったり、建て替え費用が割高になったりする可能性がありますが、木造であれば期間も費用もコンパクトです。
引用元:政府統計の総合窓口(e-Stat)|2023年建築着工統計調査(用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額 )
メリット②:耐火性がある
「木造は耐火性が弱いのでは?」と思われがちですが、木造は燃えるのには時間がかかり、一定の時間は強度を維持できるため耐火性に優れています。
また、鉄はある程度の温度を超えると一気に強度が下がる一方で、木材は強度が落ちる速度が緩やかです。
万が一火災になった場合にも、家が倒れるまでに時間を稼げるので、避難にも役立ちます。
より高い耐火性を実現したい場合には、燃えづらい材質を組み合わせるなど工夫が必要です。
メリット③:調湿性や通気性がある
木造は天然の調湿性や通気性を持っており、カビやダニの発生を予防できるのがメリットです。
木材は梅雨などの湿度の高い時期は湿気を吸収し、逆に冬など乾燥する時期には湿気を放出する特性を持っています。
自然に調湿できるので結露が発生しにくく、カビやダニを防ぐことが可能です。
高温多湿な日本において、木造一軒家は最適な住宅だといえます。
木造一軒家のデメリット3選
木造一軒家のデメリットは、以下の3つです。
- 木材の品質にばらつきが生まれやすい
- 特殊な間取りを実現しづらい
- 害虫被害を受けやすい
メリットのみで判断すると生活を始めてから後悔する可能性もあるので、デメリットもしっかり把握しましょう。
デメリット①:木材の品質にばらつきが生まれやすい
鉄骨造の住宅に必要な材料は工場で生産されるため一定の品質に保てますが、天然の木材は品質にばらつきが出やすいのがネックです。
さらに、職人の技術によっても仕上がりに差が生まれる可能性もあります。
工場で生産された材料であれば職人の技量に左右される部分は少ないものの、木材は職人が加工するケースもあり、仕上がりが一定にはなりません。
理想の家づくりを実現するには、モデルルームなどで工務店の力量をチェックすることが重要です。
自然素材の家で後悔したくない方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】自然素材の家で後悔しないために!メリット・デメリット・ポイントを解説
デメリット②:特殊な間取りを実現しづらい
木造は鉄骨造よりも壁や柱が必要になるケースが多く、特殊な構造は実現しづらい場合があります。
例えば、柱のない広々としたリビングや一面ガラス張りなどは難しいため、希望があれば事前に工務店に確認しておくのが無難です。
ただし、施工方法によっては理想の間取りを実現できる可能性も。
柱の有無だけが原因ではないものの、耐震性に影響を与える場合もあるので、バランスを考えながら間取りを決めましょう。
デメリット③:害虫被害を受けやすい
木造はシロアリの害虫被害を受けやすいことから、対策する必要があります。
現在では床下にコンクリートを敷く基礎が普及しているため被害が減りつつあるものの、被害を受ける場合もあるので注意が必要です。
シロアリ被害の原因は、以下のとおりとなります。
- 床下の湿気
- 木材の腐食
- 日陰
定期的な点検や薬剤散布などのアフターフォローを実施している住宅会社を選ぶと、安心して生活できるでしょう。
木造の一軒家を建てるならアサヒグローバルホーム
アサヒグローバルホームでは、耐震性にこだわった家づくりに取り組んでいます。
最高ランクの耐震等級「3」を持った住宅を提供しており、消防署や警察署といった防災拠点となるレベルです。
高耐久の理由は壁と床を一体化した「剛床工法」にあり、ポイントは以下のとおりとなります。
- 優れた耐震性能
- 床のたわみを抑制
- 床鳴りを抑制
- 火災時の撚え抜けを抑制
安心して暮らせる家を実現したい方は、耐震性についてをご覧ください。
まとめ:木造づくりの一軒家で理想の住まいを実現
木造住宅とは、土台や柱などの構造体に木材を使った住宅のことです。国内における一軒家の木造住宅が占める割合は90%以上で、耐用年数は22年となっています。
木造住宅のメリットを、おさらいしましょう。
- 鉄骨やRC造に比べて建築を抑えられる
- 耐火性がある
- 調湿性や通気性がある
特殊な間取りを実現しづらいなどのデメリットもあるので、構造を決める際には注意点を踏まえておくことも重要です。
アサヒグローバルホームの施工事例を知りたい方は、Webパンフレットをチェックしてみてください。
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