公開:2024.07.02 更新:2024.10.31
折り下げ天井はキッチンへの採用が一般的?メリット・デメリットと実例を解説
家づくりにおいて、折り上げ天井を導入すべきかどうか悩む人は多いです。
折り上げ天井を取り入れることで、部屋全体に開放感が出る一方、掃除やメンテナンスが大変になることもあります。
こういったデメリットを知らないまま折り上げ天井を導入すると、後悔してしまうかもしれません。
この記事では、折り上げ天井で後悔しないためにも、メリット・デメリットを解説しています。
実際に折り上げ天井を取り入れることで、おしゃれに仕上がった当社の施工事例も紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
目次
折り上げ天井とは
折り上げ天井とは、部屋の中心部分を周囲よりも高く設計した天井です。
天井を高くすることで部屋がより広く見えるため、開放感を演出するのに適しています。
折り上げ天井にする際、20〜30cm程度の差をつけるのが一般的です。
数十cmの違いが空間に深みを加えると同時に、照明によって洗練された雰囲気にまとまります。
そのため、リビングや和室など、特に広々とした印象を持たせたい場所に適しているといえるでしょう。
折り上げ天井は、ただ部屋を広く見せるだけでなく、デザイン要素としても機能するので、おしゃれな住空間を実現するのに役立ちます。
>>おしゃれなランドリールーム(洗濯室)の施工事例を見たい方はこちら<<
折り上げ天井と折り下げ天井との違い
折り上げ天井のほかに「折り下げ天井」と呼ばれる設計もあるので、あわせて確認しましょう。
両者の違いは、天井の高さと採用される場所にあります。
まず、折り上げ天井は、通常の天井より一部を高くする設計が特徴的で、高さは約2.7mほどになる場合が多いです。
対して折り下げ天井は、通常の天井より一部分を低く設計します。周囲の天井より30cmほど低めに作られることが多く、天井高は2.1〜2.2mほどになります。
採用される場所に関して、折り上げ天井はリビングや和室などの開放的な空間に取り入れられるケースが多いです。
一方、折り下げ天井はキッチンのように集中的な作業を行う空間や、照明との調和を重視したい場所に用いられる傾向があります。
折り下げ天井については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
【関連記事】折り下げ天井でおしゃれな暮らしを実現!メリット・デメリットと実例を解説
折り上げ天井を取り入れるメリット3選
折り上げ天井を取り入れるメリットは、以下の3つです。
- 天井が高くなり開放感が生まれる
- 空間にメリハリがつく
- 間接照明を組み合わせると立体感が出る
メリット①:天井が高くなり開放感が生まれる
折り上げ天井は、一般的な天井よりも部分的に高く設計されています。
そのため、部屋全体に奥行きと空間の広がりが生まれ、より開放的な印象を与えられるメリットがあります。
加えて、高い部分に窓を設けることで自然光が一般的な住宅より入りやすくなるので、部屋全体が明るくなり、さらに広々とした印象を与えることも可能です。
メリット②:空間にメリハリがつく
折り上げ天井は、天井部分を一部分だけ高くすることで、空間に奥行きを与えます。
この奥行きが部屋全体に広がりをもたらし、視覚的にも広く感じさせる効果があります。
また、天井高をうまく活かせる化粧梁を設けることで、空間にデザイン的なアクセントが加わり、インテリアの魅力を高めることも可能です。
部屋全体に開放感を持たせつつ、デザイン性も重視したい人には、折り上げ天井は適しているといえるでしょう。
メリット③:間接照明を組み合わせると立体感が出る
折り上げ天井は、天井の形状が通常よりも立体的であるため、照明をうまく組み合わせることで、空間をより豊かにします。
たとえば、間接照明を活用すると、部屋全体がスタイリッシュに見え、よりおしゃれな雰囲気を演出できるでしょう。
シーリングライトやダウンライトも、おしゃれな空間を作り出すための効果的なアイテムです。
折り上げ天井に間接照明を組み合わせることで、室内に非日常感を与え、カフェのような心地よい空間を作り出すことができるでしょう。
天井と間接照明を活かしておしゃれな家を実現する際、何を意識すればよいのかについては、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
【関連記事】天井の間接照明でおしゃれな家に!失敗しないためのポイントと3つの事例を紹介
折り上げ天井を取り入れるデメリット3選
一方、折り上げ天井を取り入れるデメリットは以下の3つです。
- 掃除やメンテナンスがしづらい
- 冷暖房の効率が悪くなりやすい
- 照明やファンの設置に悩む
デメリット①:掃除やメンテナンスがしづらい
折り上げ天井は構造上、掃除やメンテナンスに苦労する場合があります。天井が高い部分や角には埃が溜まりやすく、定期的な清掃は欠かせません。
また、天井の高い位置に設置された照明器具のメンテナンスも、一般的な天井と比べて困難になるでしょう。
電球の種類によっては頻繁な交換が必要なため、LED電球を使用するのがおすすめです。白熱電球より交換の手間が省けるだけでなく、光熱費の削減にもつながります。
高いところが苦手など、自力での作業が難しい場合は、専門業者の手を借りるのもひとつの手です。
折り上げ天井を導入する際には、掃除やメンテナンスを自分で行えるのかどうかも検討しましょう。
デメリット②:冷暖房の効率が悪くなりやすい
折り上げ天井は、部分的に高く設計されているため、冷暖房の効率に影響を与えることがある点には注意が必要です。
天井の高い部分が広がるほど、部屋全体の温度を均一に保つのが難しくなります。その結果、部屋の温度を快適に保つために冷暖房のエネルギー消費が増加し、電気代が高くなることも。
効率的な冷暖房を実現する方法として、高気密・高断熱の建材の使用や、シーリングファンの設置が有効です。
折り上げ天井は空気の循環に特徴があることを踏まえ、必要な対策を講じましょう。
デメリット③:照明やファンの設置に悩む
折り上げ天井が持つ特殊な構造から、照明やファンをどこに配置すべきかに悩んでしまう人も多いです。
天井が高い分、照明の光が部屋の奥まで届かない可能性もあります。
光が部屋全体に均等に届くようにするには、どのように配置するのが適切かを慎重に検討する必要があり、時間がかかってしまうことも。
加えて、折り上げ天井は温かい空気や冷たい空気が、高く設計された部分に滞りやすい特徴があります。
そのため、ファンを設置する際は、設置場所や高さといった複数の観点から、どうすれば空気をより効果的に循環させられるかを考えなければなりません。
このような設計の複雑さが、照明やファンの位置を悩ませる要因になっています。
折り上げ天井を取り入れたおしゃれな施工事例3選
当社が手掛けた、折り上げ天井を取り入れたおしゃれな施工事例を3つ紹介します。
- 一目ぼれを詰め込んだ、ゆとり溢れる家
- グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家
- 家族と楽しむアイデア満載、薪ストーブのある家
事例①:一目ぼれを詰め込んだ、ゆとり溢れる家
「一目ぼれを詰め込んだ、ゆとり溢れる家」は、広々としたワンフロアのバリアフリー設計で、自然光がたっぷりと差し込む明るい空間が魅力的です。
居住者の「直感で選ぶ」スタイルを反映しており、インテリアには外壁材としても使用される石積みのタイルがアクセントクロス代わりに採用されています。
折り上げ天井には化粧梁が取り入れられており、空間に開放感とともにおしゃれな雰囲気をもたらしています。
キッチン関連の装備はすべてブラックで統一したことで一貫性が生まれ、空間に高級感を与えています。
事例②:グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家
「グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家」は、2階建てのLDKを中心に、全体をグレーで統一した洗練されたデザインが特徴です。
折り上げ天井にダークブラウンの色味を加えることで、グレーの空間に温かみをもたらし、豊かな居住感を演出。
キッチンはペニンシュラ型で、収納力を高めるために背面全体に引き戸を設け、すっきりとした外観に仕上げました。
畳コーナーに設置されたカウンターは、お子さまが遊ぶスペースとして機能。
猫と暮らすための猫穴も巧みに配置されています。
事例③:家族と楽しむアイデア満載、薪ストーブのある家
「家族と楽しむアイデア満載、薪ストーブのある家」は、折り上げ天井が視覚的な広がりと開放的な雰囲気をLDK全体に与えているのが魅力です。
壁には壁掛けテレビのための補強が施され、リラックスできるハンモックを取り付けるための梁も設置されています。
キッチンから和室にかけて直線的な配置にして、家事をしながらでも家族の様子を見渡せるようにしました。
部屋には薪ストーブが設置されており、炎のゆらめきで癒し効果もバッチリです。
まとめ:折り上げ天井を取り入れて理想の住まいを実現
折り上げ天井を取り入れることで、部屋に開放感をもたらし、空間に深みとデザイン性を加えられます。
一方で、掃除やメンテナンスの手間、冷暖房の効率低下、照明やファンの配置に悩むこともあるでしょう。
折り上げ天井をおしゃれに導入するには、天井高を高く設計した部分に化粧梁や間接照明を取り入れるケースが多く、当社でも同様の施工を担当してきました。
折り上げ天井のある家はもちろん、当社ではさまざまなタイプの商品を用意しています。ラインナップページでは、当社が提供する注文住宅を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】ペニンシュラキッチンとは?メリット・デメリットと間取り実例を解説
【関連記事】高気密高断熱な住宅を建てる際のポイントとは?メリット・デメリットも解説
【関連記事】薪ストーブのある家づくりのポイントは?メリット・デメリット・実例を解説