公開:2024.11.18
耐力面材とは?必要性や種類・取り入れるメリット・デメリットを解説
新築で一戸建てを建てる人の多くが、地震に強い家にしたいと思っているでしょう。
巨大地震がいつ、どこで起きるか分からない上に、本震はもちろん、何度も発生する余震に対する備えも欠かせません。
この記事では、地震に強い家づくりをしたい人に向けて、耐力面材とは何か、筋交いとの違いなどをまとめました。
耐力面材の必要性や種類、使用するメリット・デメリットも解説しています。
当社で採用する耐力面材や施工事例も紹介しているので、本記事の内容を踏まえて、地震に強い家を建てましょう。
目次
耐力面材とは
そもそも耐力面材とは、漢字からも分かるように、線ではなく面で耐えられる力を持つ建材を意味します。
住宅の施工方法には、梁と筋交いによる線で家の土台を構成する木造軸組工法(在来工法)や、規格化された建材やパネルをもとに、面で構成するツーバイフォー工法などがあります。
耐力面材は、ツーバイフォー工法やパネルによる補強を施す工法で使用される建材・パネルの総称であると覚えておきましょう。
ツーバイフォー工法に関しては、以下の記事でも詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
【関連記事】ツーバイフォー工法で後悔する人の特徴3選!メリット・デメリットも解説
耐力面材と筋交いの違い
先述したように、耐力面材と筋交いの違いは、地震をはじめとする揺れに対して面で支えるか、点や線で支えるかです。
筋交いは梁に対して斜めに通す建材のことで、一本だけを通す片筋交いや、クロスするように二本の建材を通すたすき掛けがあります。
筋交いを入れることで、梁だけで構成された場合に比べて強固な家づくりが可能となります。
ただし、筋交いがあるとすき間なく断熱材を入れるのが難しく、工事の手間がかかったり、接合部に力が集中したりするなどのデメリットもある点には注意が必要です。
耐力面材の必要性
従来型の建築手法である木造軸組工法(在来工法)の場合、地震の縦揺れには強い性質がある一方で、横揺れには強くない点がネックです。
耐力面材を取り入れることで、地震の力が端部に集中しなくなり、横揺れにも強くなります。
接合部に力が集中する在来工法のデメリットを補うためにも、耐力面材が必要なのです。
耐力面材の種類
耐力面材には、木質系と無機質系の2種類があります。
木質系は、ベニヤや木質チップを接着剤で圧着させたものが一般的です。
無機質系は、セメントやロックウール、火山灰などを主原料としています。
それぞれ、軽量さや価格、耐火性・耐震性などに関して一長一短あるため、詳細が気になる方は、工務店でどのような耐力面材を使用しているか確認してみてください。
耐力面材を使用するメリット・デメリット
耐力面材の使用には、メリットもあればデメリットもあります。
家づくりを進める際は、それぞれの視点を持った上で、冷静な判断が必要です。
以下、耐力面材を使用するメリット・デメリットを解説するので、耐力面材の特徴を理解した上で地震に強い家を形にしていきましょう。
耐力面材を使用するメリット
耐力面材を使用するメリットは以下のとおりです。
- 耐震性を高められる
- 断熱材を入れやすく、断熱性能を高めやすいうえ、気密性も高められる
- 無機質系の面材であれば耐火性にも優れている
冒頭でも解説したように、耐力面材を取り入れることで縦揺れだけでなく横揺れに対しても備えられ、耐震性を高められます。
また、筋交いのデメリットの裏返しになりますが、耐力面材を採用した場合は断熱材を入れやすく、断熱性を高めやすいです。
さらに、構造体の外側に耐力面材を施工するため建物のすき間が減り、気密性のアップにつながります。
耐力面材の中でも、無機質系の面材を使えば耐火性も高められる上、シロアリにも強いことから、防蟻処理も不要というメリットもあります。
耐力面材を使用するデメリット
耐力面材の使用には、以下のデメリットもあるので注意が必要です。
- 筋交いと比較して価格は高い傾向
- 筋交いよりも重量があるため施工が大変
筋交いに比べて施工のコストがかかってしまう点は、耐力面材の大きなデメリットと言えます。
なお、木質系よりも無機質系の耐力面材のほうが価格は高い傾向にあることは覚えておきましょう。
耐力面材の使用に関する直接的なデメリットではありませんが、筋交いよりも重量がある点には注意が必要です。
地震に強い家の特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】地震に強い家の特徴6選!建てる際の5つの注意点とよくある質問も解説
アサヒグローバルホームで使用する耐力面材
アサヒグローバルホームでは、日本古来の技術である木造軸組工法(在来工法)と、ツーバイフォー工法のいいとこどりをした「木造軸組パネル工法」を採用しています。
当社では、耐力面材として「タイガーEXハイパー」を使用し、より強固な耐力壁を実現。
素材は石膏で、優れた耐火性があるだけでなく、透湿性も備えています。
さらに、温度や湿度による寸法の変化も小さく、施工品質の安定性にもつながるのがタイガーEXハイパーで、気密性や防音性にも効果があります。
「耐震+制震」で巨大地震に備える
当社では、構造体そのものの強度を高める耐震と、地震の揺れを抑える制震技術により、地震に強い家づくりを実現しています。
特に、制震ダンパーの「MIRAIE」は、最大95%の揺れを低減でき、強い揺れや繰り返しの揺れに最大限の効果を発揮。
2024年1月に発生した能登半島地震では多くの住宅が倒壊・損傷しましたが、MIRAIEを搭載した住宅は目立った損傷もなく、生活の立て直しもスムーズだったとされています。
以下の動画では、能登半島地震を経験した方のインタビューをまとめています。
MIRAIEによって地震にどのように備えられるか気になる方は、ぜひ動画をご覧ください。
耐震性能に強みがある当社の施工事例
ここでは、地震に強い家づくりが可能な当社の施工事例を2つ紹介します。
- 深みのある色が落ち着きをもたらすガレージの家
- お子さまが思いっきり遊び回れるガレージハウス
事例①:深みのある色が落ち着きをもたらすガレージの家
こちらのお家では、奥行きのある土地形状を活かし、前面にガレージを設けました。
引き渡し当初は車やバイクのために使用していましたが、現在はお子さまが遊んだり、家族でバーベキューをしたりして楽しむ場所になっています。
写真右側の扉から玄関に入る動線を確保し、雨に濡れることなく移動できます。
事例②:お子さまが思いっきり遊び回れるガレージハウス
こちらのお家では、車を2台駐車しても余裕がある、25帖の広々としたガレージを採用。
ガレージの内部はOSBボード仕様にして、カスタムできるようにしました。
ガレージの奥は庭につながっており、スムーズな動線を確保しています。
カリフォルニアテイストの外観は、日中と夕方以降で見た目の印象もガラッと変化。
ラップサイディングの外壁と、形やサイズ・高さを揃えたガラスからこぼれる光が大きなアクセントになっています。
まとめ:耐力面材のメリット・デメリットを理解しよう
耐力面材とは地震の揺れを面で支える際に力を発揮する建材のことで、建物の構造を点や線で支える筋交いとは根本的に異なります。
耐力面材には木質系と無機質系の2種類があり、耐力面材を使用するメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・耐震性を高められる ・断熱材を入れやすく、断熱性能を高めやすいうえ、気密性も高められる ・無機質系の面材であれば耐火性にも優れている |
・筋交いと比較して価格は高い傾向 ・筋交いよりも重量があるため施工が大変 |
地震に強い家づくりをするにあたって、工法の違いはもちろん、使用する建材の特徴を理解しておくことが重要です。
本記事の内容も参考にしながら、いつ起きるか分からない巨大地震に耐えられる家づくりを実現しましょう。
アサヒグローバルホームでは、ガレージの家や電気代ZEROの家など、さまざまな商品をご用意しています。
当社が提供している商品の詳細を知りたい方は、ラインナップページをご覧ください。
【関連記事】木造住宅の家が地震に強い4つの特徴やメリット・デメリットを徹底解説
【関連記事】地震に強い家の形とは?3つの特徴とポイント、おすすめの構造を解説
【関連記事】地震に強い間取りの特徴2選!注意点などをわかりやすく解説