公開:2024.10.17 更新:2024.10.22
耐震構造とは?免震・制震構造との違いやメリット・デメリットを解説
家を建てるにあたって、どのような地震対策を講じるべきか悩む人も多いでしょう。
地震対策には、耐震構造のほか、免震構造、制震構造があります。
いずれも有効な地震対策ですが、最も普及しているのは耐震構造です。
しかし、それぞれに異なる特徴があるため、ご自身の状況に適した対策を選ぶ必要があります。
そこでこの記事では、耐震構造のメリット・デメリットや、免震・制震構造との違いをまとめました。
耐震性能を客観的に評価できる耐震等級についても解説しますので、最適な地震対策を考える際の参考にしてください。
目次
耐震構造とは
耐震構造とは、地震の揺れに耐えられるよう、建物そのものの強度を高める設計方法です。
建物の壁や柱に強度を持たせるために、耐力壁や木材を斜めに取り付ける筋交いを活用します。
適切な耐震構造を持つ住宅が建築されるよう、建築基準法では一定の耐震基準が定められています。
耐震基準は、大地震が発生した後などに改正されているため、新築住宅は従来の住宅より耐震性能が高いです。
たとえば、木造住宅の場合、柱や梁の接続部を強固にするなど、法令によって施工方法が厳しく規定されています。
引用元:e-Gov | 建築基準法施行令 第四十六条 第四十七条
制震構造との違い
制震構造は、地震が発生した際に建物が受ける揺れを抑えるための設計です。
建物の柱や壁に設置される制震ダンパーや、上層階に取り付けられる重りなどの特別な装置を取り付け、揺れを軽減します。
建物が受ける揺れのエネルギーを吸収し、揺れ幅を減らす特徴があるため、高層ビルやマンションに採用されるケースが多いです。
また、風による揺れを抑えられる点も、高さのある建物に導入される理由の一つといえるでしょう。
免震構造との違い
免震構造は、地震のエネルギーを建物に直接伝えないようにする目的で、建物と地盤の間に免震装置を設置する技術です。
つまり、地震が発生しても倒壊しないように建物自体を強化する耐震構造とは、根本的な考え方が異なります。
免震構造の場合、地震が発生すると免震装置が水平に動くため、建物自体は免震装置とは逆方向に大きく揺れます。
しかし、あえて揺らすことで地震のエネルギーを逃がすので、建物は地震の衝撃をほとんど受けません。
そのため、家具が転倒するリスクを軽減できる点も特徴です。
ただし、軟弱な地盤では十分な効果を発揮できない場合があります。
また、定期的なメンテナンスが必要です。
耐震と免震・制震の違いに関しては、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
【関連記事】免震と耐震・制震の違いとは?それぞれのメリット・デメリットも解説
耐震構造のメリット・デメリット
耐震構造のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので、ご確認ください。
メリット | デメリット |
・地盤や立地を選ばない ・コストを抑えやすい ・工期が短い ・強風にも対応できる |
・複数の揺れが起きると損傷・ダメージが蓄積される ・地震の揺れが直接伝わる |
耐震構造のメリット
耐震構造のメリットは、以下の4つです。
- 地盤や立地を選ばない
- コストを抑えやすい
- 工期が短い
- 強風にも対応できる
耐震工事をする際、特別な地盤整備が不要なため、地盤や立地の影響を受けづらい点がメリットとして挙げられます。
耐震構造は、免震や制震構造と比較して施工費を抑えやすい点も魅力です。
さらに、制震や免震のような特殊な工事が必要ないため、工期が短く済むのも耐震構造ならではのメリットといえるでしょう。
また、建物自体を強化するので、地震だけでなく風による揺れにも強いのも特徴の一つです。
耐震構造は、コストパフォーマンスが高いうえに工期が短く、風の揺れにも強いため、多くの住宅で採用されています。
耐震構造のデメリット
耐震構造には、以下2つのデメリットも存在します。
- 複数の揺れが起きると損傷・ダメージが蓄積される
- 地震の揺れが直接伝わる
免震とは異なり、耐震は地震のエネルギーを建物が直接受けるため、地震のたびに揺れによるダメージが蓄積されてしまいます。
大地震で倒壊しなかったとしても、建物にひびが入ったり構造部分が劣化したりする可能性があるのがデメリットです。
蓄積されたダメージが限界に達すると、小さな揺れでも大きな被害を受けるリスクが上がるでしょう。
また、耐震構造は地震の揺れを軽減する効果が少なく、家具や家電の転倒を防ぐには、別途対策を講じる必要があります。
地震に対する強さは耐震等級で評価される
耐震等級とは、建物の耐震性能を評価するための基準です。
等級は、1から3までの3段階に分けられています。
耐震等級1は、震度6強から7の大地震でも倒壊しない性能を指し、建築基準法が定める最低限の基準です。
耐震等級2は、等級1の1.25倍の強度を持ち、災害時に避難所となる施設などで求められます。
そして耐震等級3は、等級1の1.5倍の強度を持ち、消防署や警察署などの施設でも採用されている基準です。
これから家を建てるなら耐震等級3が理想的
前述のとおり、最も高い耐震性能を持つ耐震等級3は、等級1の1.5倍の強度を誇っています。
耐震等級3であれば、震度6強から7の大地震にも耐えられ、余震が複数回起こる場合でも建物を安全に保ちやすくなります。
将来起こり得る大地震から家族を守るためにも、住宅を建てる際は耐震等級3の性能を取り入れ、より安全で安心できる住まいにするのが理想的です。
耐震等級については、以下の記事でも詳しく解説しています。
【関連記事】耐震等級3は必要なのか?メリット・デメリット・耐震性能の高め方も解説
東海3県で地震に強いを建てるならアサヒグローバルホーム
アサヒグローバルホームでは、建物そのものを強化する耐震に加え、地震による揺れを抑える制震も取り入れた地震に強い住宅を提供しています。
さらに、建物をしっかりと支えるベタ基礎や木造軸組パネル工法、剛床工法といった、さまざまな地震対策を講じています。
当社が実施している耐震対策についてさらに詳しく知りたい方は、耐震性ページをご覧ください。
耐震等級3の住まいを提供
アサヒグローバルホームでは、長期優良住宅仕様において、最高水準である耐震等級3を満たした住まいを提供しています。
また「MIRAIE」と呼ばれる制震ダンパーを採用しており、地震の揺れを効果的に抑えることで、より快適で安心な住まいを実現。
MIRAIEに関しては以下の動画で詳しく解説していますので、参考にしてください。
耐震構造に強みがある当社の施工事例
耐震構造に強みがある当社の施工事例を2つ紹介します。
- グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家
- 自然と触れ合えてガレージで趣味を満喫できる家
事例①:グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家
「グレーで統一した空間、猫と暮らす屋上がある家」は、グレーを基調としたスタイリッシュな空間にまとめました。
2階に配置されたLDKは、折り上げ天井や化粧柱によって、広々とした空間にさりげなく仕切りを与えています。
キッチンとダイニングテーブルは、統一感のある濃いグレーでデザインされ、収納力も抜群。
さらに、ガレージ上に広がるルーフバルコニーには少し高さのある腰壁を採用し、人目を気にせず寛げる工夫が施されています。
事例②:自然と触れ合えてガレージで趣味を満喫できる家
「自然と触れ合えてガレージで趣味を満喫できる家」は「自然と触れ合える生活」をテーマに設計されています。
広々とした庭には植栽が豊富で、焚き火を楽しむスペースも設けられているのが特徴です。
さらに、施主様のこだわりで、ガレージにはDIYで作成したカウンターに加えて、ミラーボールやドラムセットを配置。
趣味を楽しむ場所としても活用しています。
奥様の「家族が毎日顔を合わせたい」という願いからリビング階段を採用し、家族のつながりを大切にした設計となっています。
まとめ:耐震構造の特徴を理解して地震に備えよう
耐震構造は、地震の揺れに耐えるために建物自体の強度を高める設計で、耐力壁や筋交いを利用した強固な構造が特徴です。
一方、制震構造は揺れを抑える仕組みを、免震構造は建物と地盤を分離して揺れを逃がす仕組みを採用しています。
耐震構造には、コストの低さや工期の短さといったメリットがあります。
しかし、地震の揺れが建物に直接伝わるため、ダメージが蓄積されてしまうデメリットがある点には注意が必要です。
最も高い耐震性能を求めるなら、耐震等級3の家づくりが理想的です。
アサヒグローバルホームでは、長期優良住宅仕様に限りますが、耐震等級3を満たす住宅を提供しています。
当社が提供している住宅を見てみたい方は、ラインナップページをご覧ください。
なお、当社では10月から新たなキャンペーン「建て替え応援 南海トラフ地震に備える家づくり」を実施しています。
詳細は「地震に強いキャンペーン」ページをご確認ください。
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