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公開:2023.08.07   更新:2023.08.08

勾配天井は照明選びが肝心?メリット・デメリットと3つの施工実例を解説

勾配天井は照明選びが肝心?メリット・デメリットと3つの施工実例を解説

天井に傾斜をつけた勾配天井は最近のおしゃれな家によく使われている工法で、住宅展示会や雑誌などで見かける方も多いのではないでしょうか。

しかし、一般的な天井よりも高さがある分、照明選びが重要です。

そこで本記事では、勾配天井のメリット・デメリットや適切な照明の選び方、実際の施工事例を紹介しています。

家づくりでお悩み中の方は本記事を参考にし、今後にお役立てください。

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勾配天井とは

通常、天井は屋根の形に関わらず水平ですが、あえて天井に角度をつけ傾斜にしたのが勾配天井です。

2階建ての一部を片流れ屋根にし、その屋根に沿った空間を活かして勾配天井にする例がよく見られます。

天井裏や屋根裏などの閉鎖空間をなくし、リビングなどの上部を開けることで開放感をもたらし、部屋に広がりを演出する工法です。

吹き抜けよりも上部の空間は狭くなりますが、コストやデメリット等を考慮して勾配天井を選ぶ人も増えています。

 

勾配天井を採用するメリット3選

勾配天井を採用するメリットは、大きく分けて以下の3点です。

  1. 部屋に開放感が生まれる
  2. 見せ梁などでおしゃれにできる
  3. 採光性や通気性が良くなる

 

メリット①:部屋に開放感が生まれる

屋根裏

勾配天井の最大の魅力は、部屋に開放感が生まれることです。

一般的な天井は2.2~2.4mですが、勾配天井は高いところで4m近くになります。その分、部屋の上部に空間が生まれて開放感のあるつくりになるのです。

リビングの上を勾配天井にすれば、広くのびのびとした空間でくつろげるでしょう。また、2階の屋根裏を活用して勾配天井をつくれば、空間にゆとりのある隠れ家チックな部屋ができます。

勾配天井をつくることで、部屋に開放感をもたらせるのが最大のメリットです。

【関連記事】部屋を広く見せる方法3選!家具の配置やレイアウト、配色を解説

 

メリット②:見せ梁などでおしゃれにできる

天井

勾配天井の2つ目のメリットは見せ梁などでおしゃれにできる点です。

家の外観も重要ですが、内装・インテリアを重視する人も多いのではないでしょうか。室内の演出は家具やクロスの色づかいだけでなく、家自体のつくりも非常に重要です。

勾配天井にすることで梁を使って空間にアクセントをつけられ、抜け感のあるスタイリッシュさを演出できます。

また、広い空間に斜めの見せ梁を入れることで天井に奥行きが出て、おしゃれさだけでなく開放感もプラスされます。

梁を選ぶ楽しみも増えて、家づくりをさらに楽しめるでしょう。

 

メリット③:採光性や通気性が良くなる

勾配天井の3つ目のメリットは、採光性や通気性が良くなることです。

勾配天井にすると天井が高くなるため、通常よりも高い位置に窓を設けられます。高い位置の窓は光を採り入れやすく、部屋全体が明るくなります。

位置を調整すれば天窓のようにすることもでき、温かい光が降り注ぐ部屋づくりも実現できるでしょう。

また、勾配天井にすると、空気の循環が良くなります。

通常、温かい空気は上に、冷たい空気は下に流れるため、高い位置の窓と掃き出し窓のような低い位置の窓を設ければ、効率よく新鮮な空気を取り入れられるのです。

高い位置の窓を開けておけば熱気もこもらないので、通気性を重視する場合は2つの窓を設けると良いでしょう。

 

勾配天井を採用する2つのデメリット

勾配天井にはメリットだけでなくデメリットもあり、特に、以下の2点には注意が必要です。

  1. 照明の交換や掃除が大変
  2. 暑さ対策が必須

 

デメリット①:照明の交換や掃除が大変

勾配天井は、照明の交換や掃除が大変な点がネックになります。

高さのある勾配天井は、照明の交換や掃除の際、足踏み台や脚立では届かないこともあるでしょう。

そのような場合は施工した工務店などに依頼しますが、高さによっては足場を組むことになり、コストや時間がかかります。

また、窓がある場合の窓掃除も同様で、気軽に掃除ができなくなるため、工夫が必要になるでしょう。

 

デメリット②:暑さ対策が必須

勾配天井は高さがある分、熱気がこもりやすくなるため、暑さ対策が欠かせません。

窓を設けることで通気性はよくなりますが、窓から差し込む日差しで暑さを感じることもあるでしょう。

ほかにも、部屋の広さも相まってエアコンが効きにくくなる場合もあります。

どうしても暑さが気になる人は、以下の対策を検討しても良いでしょう。

  • 上部に窓をつけない
  • 上部の窓に遮光遮熱カーテンをつける
  • シーリングファンを使用する
  • エアコンの対応畳数を予め大きめにしておく


勾配天井には、上記のような暑さ対策を施すことをおすすめします。

 

照明はどうする?勾配天井で失敗しないためのポイント

照明

勾配天井で重要なのが照明計画です。通常の天井よりも高さがあるため、光が届きにくいこともあります。

勾配天井にして後悔しないためには、事前にどのような照明をどの位置に設置するか検討することが大切です。

具体的には、以下の2つを押さえておくと失敗するリスクを下げられます。

  1. 使用頻度や用途に合わせて照明の種類を変える
  2. つり下げ式のシーリングファンを導入する

 

ポイント①:使用頻度や用途に合わせて照明の種類を変える

照明

勾配天井のある部屋に限った話ではありませんが、照明は部屋の使用頻度や用途に合わせて種類を変えることが大切です。

もちろん、用途は個人や家族によってさまざまです。

たとえば、キッチンは手元が暗くならないように、角度を調整して照明を設置したり、洗面所でメイクする際に顔が暗くならない色の照明を付けたりと、ライフスタイルに合わせた照明選びが重要になります。

勾配天井の場合は、1部屋に複数の照明を設置する一室多灯を心がけると良いでしょう。

勾配天井のある部屋を寝室にする場合は、光が広がるダウンライト等でも問題ありません。

リビングや書斎の場合は、勾配天井専用のライトと、真下に光を落とす間接照明やダウンライトとの組み合わせがおすすめです。

基本的には勾配天井専用のライトがおすすめですが、場所によっては専用でないものもつけられるので、工務店や照明取扱店に相談しましょう。

【関連記事】天井の間接照明でおしゃれな家に!失敗しないためのポイントと3つの事例を紹介

 

ポイント②:つり下げ式のシーリングファンを導入する

つり下げ式のシーリングファンは、勾配天井と相性が良いのでおすすめです。

勾配天井を採用する場合、機能面やデザイン面から、シーリングファンを導入する人も多くいます。

シーリングファンは空気を循環させてくれるため、エアコンの効きも良くなる上にビジュアルも良く、勾配天井を採用した高さのある空間によく映えます。

更に、つり下げ式にして高さを抑えることで、メンテナンスもしやすくなるのです。

床から3m程度の高さにすることで、掃除もしやすくメンテナンスの際も足場を組まなくて済むのでおすすめです。

 

勾配天井を取り入れた施工実例3選

ここでは、勾配天井を取り入れた当社の施工実例を3件紹介します。

  1. 家具のようなキッチンとサンルームが魅力的な家
  2. 母娘で営むリトミック・ピアノ教室
  3. 夫婦のセカンドライフを愉しむコンパクトな平屋

 

実例①:家具のようなキッチンとサンルームが魅力的な家

見せ梁のあるリビング>>このお家のすべての写真を見る


「家具のようなキッチンとサンルームが魅力的な家」のポイントは以下の2つです。

  1. 色味を合わせたスタイリッシュな見せ梁
  2. 高窓で採光性を高め、明るく広々としたリビング

 

リビング上部を勾配天井にしたこちらの家は、色味が印象的な見せ梁を採用しています。

リビング

キッチンの下がり天井と色味を合わせ、シンプルでまとまったリビングです。

吹き抜けよりもコストが抑えられる勾配天井ですが、見せ梁の種類や色を変えるとよりおしゃれになります。予算は抑えたいけど見た目にはこだわりたい方に非常におすすめです。

また目線よりも少し上に設置された高窓は採光性も高く、リビングを明るく照らします。

外から室内が見えにくい位置になるので、防犯面でも安心です。

 

実例②:母娘で営むリトミック・ピアノ教室

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「母娘で営むリトミック・ピアノ教室」の家のポイントは以下の2つです。

  1. ピアノを置くことを想定した高窓
  2. 勾配天井とピアノに合わせた照明の配置

 

ピアノのレッスン室に勾配天井を採用し、広々とした空間を演出。

ピアノを置くことを想定していたため、日差しが当たらないよう、窓は小さく横長にしています。

ピアノ,ぬいぐるみ

小さな高窓で採光性が気になるところですが、掃き出し窓を大きくし、バランスを取っています。

また勾配天井に合わせてダウンライトを複数配置することで、明るさも充分。ダウンライトを直線に規則正しく並べて、勾配天井の奥行きを目立たせています。

また、ピアノ奏者のために間接照明を配置し、楽譜が見えやすくなっているところもポイントです。

 

実例③:夫婦のセカンドライフを愉しむコンパクトな平屋

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「夫婦のセカンドライフを愉しむコンパクトな平屋」のポイントは以下の2つです。

  1. 木のぬくもりを感じられる見せ梁
  2. 部屋の雰囲気に合わせた照明

 

玄関やウッドデッキに木を採用し、家全体から木のぬくもりを感じられるこちらの家は、木目が目立つ種類の見せ梁を採用しています。

リビングに置いてある薪ストーブと相まって、より温かみのある印象のリビングになりました。

照明は見せ梁に設置しているため、高すぎずお手入れや照明の交換も気軽にできます。

照明

リビングの雰囲気に合わせた、シャンデリアのような間接照明のデザインもポイントです。

家全体のコンセプトが決まっていると、見せ梁の種類や色、照明の種類などもコンセプトに合わせて選びやすくなります。

 

まとめ:勾配天井を採用してお気に入りの住まいを実現

外観

勾配天井とは、屋根の斜面に沿った傾斜のある天井のことを指します。

採光性や通気性が良くなるだけでなく、見せ梁などを使っておしゃれになるので、近年の住宅では人気の工法です。

ただ、通常の天井よりも高さがあるため、メンテナンスが大変な一面もあります。また、広い空間になるので、シーリングファンなどによる暑さ対策も欠かせません。

そして、勾配天井は照明計画が非常に大切です。一室多灯を心がけ、ライフスタイルと照らし合わせながら、使用用途に適した照明選びをしてください。

勾配天井のメリット・デメリットを理解し、本記事の内容を踏まえて、おしゃれで開放感のある住まいを実現しましょう。

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アサヒグローバルホームでは勾配天井を採用したおしゃれな家づくりのお手伝いをしています。

勾配天井を採用するメリットは以下の3つです。

 

メリット①:部屋に開放感が生まれる

メリット②:見せ梁などでおしゃれにできる

メリット③:採光性や通気性が良くなる

 

実際に施工された勾配天井のある家をより詳しく見たい方は、勾配天井の施工事例をご覧ください。

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この記事の監修

髙田 司

髙田 司

役職取締役設計部長

保有資格一級建築士、耐震診断士、福祉住環境コーディネーター2級

2003年 東海工業専門学校卒業
現場監督、営業、積算、設計などマルチな経歴を持つ。
現在は住宅設計部の部長として、組織づくりなどのマネジメント、クレーム管理、特殊案件の実施設計を担当。また商品開発の一環でモデルハウスの建て替えや、購買部も兼任している。

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