公開:2022.12.27 更新:2023.03.10
地震に強い間取りの特徴2選!注意点などをわかりやすく解説
地震に強い間取りにするために必要な要素をご存じでしょうか。
理想の住まい・間取りを形にする上で、耐震性にも配慮しておかないと、地震に強い家づくりは当然実現しません。耐震性を低下させる原因を理解し、対策を間取りに反映させることで、地震に強い間取りを手に入れられるでしょう。
建築士や工務店に丸投げではなく、ご自身で耐震性をある程度判断できるようになることがとても大切です。
そこで本記事では、地震に強い間取りの特徴や注意点などをわかりやすくまとめました。
目次
地震に強い間取りの特徴2選
地震に強い間取りの特徴は、大きく分けて以下の2点です。
- 正方形に近い間取り
- シンプルな間取り
それぞれどのような間取りなのかを具体的に解説していきます。
特徴①:正方形に近い間取り
地震の揺れは横揺れと縦揺れがあり、どの方向から揺れるか予想はつきません。
しかし、正方形に近い間取りにすることでどの方向からの地震の揺れでも耐えやすくなります。
縦長の土地などの場合、長方形の間取りにならざるを得ません。長辺と短辺では揺れに対する力のかかり方が異なるため、正方形に近い間取りに比べると耐震性が劣ってしまうのです。
また、正方形に近い間取りだったとしても「耐力壁」と呼ばれる地震などの揺れがもたらす負荷に耐える構造の壁が少ないと、耐震性も低くなってしまいます。
ただし、耐力壁を多く取り入れたとしても、バランスよく配置されていないと壁や柱にかかる重荷が分散されにくくなるため、耐震性能としては今ひとつ。
建物を支える骨組みに関して、四方バランスよく配置されるのが、地震に強い間取りを考える上で重要です。
特徴②:シンプルな間取り
理想の住まいを考えると、開放感のあるLDKや南面を大きく開口させた間取りなどを考えたくなります。しかしこれらの間取りは、耐震性能を上げようと思うとおすすめできません。
地震に強い間取りにしたいなら、できる限りシンプルな間取りを検討しましょう。デザインや快適性のこだわりはもちろん大切ですが、耐震性の観点では「部屋の数を多くする」のがポイント。
部屋数が増えると柱、梁、壁が必然的に増えます。その結果、耐震性を高められるのです。
- 1階にビルトインガレージを設置
- 大きな吹き抜けを設置
- 大きな開口部の設置
上記は一例ですが、こうした空間を広くとる演出は、地震が起きた時の力がいびつに伝わってしまうため、耐震性の弱さが露呈してしまいます。
地震に強い間取りを希望するなら、できる限りシンプルな間取りにしましょう。
【関連記事】注文住宅で後悔しないために!間取り・収納・設計など”6つ”の項目を紹介
地震に強い家の特徴5選
地震に強い家の特徴は、大きく分けて以下の5つです。
- 正方形or長方形
- 平屋
- 地盤が強い
- 耐震・制振・免震構造
- 定期的にメンテナンスされている
これらの特徴はいずれも独立した特徴なので、すべての項目に該当する住まいなら、地震に強い家として最高クラスと考えて良いでしょう。
具体的な内容はこちらをご確認ください。
地震に強い間取りを作るための注意点
たとえ地震に強い間取り・家の特徴を満たしていたとしても、注意すべき点があります。なかでも、以下4点には注意が必要です。
- 2階以上に重いものを配置しない
- 家を建てる地盤も確認しておく
- 窓の割合を増やしすぎない
- 平屋でも地震に弱い間取りがある
地震に強い家づくりをしたい方は、これらの項目もしっかりと理解しておきましょう。
注意点①:2階以上に重いものを配置しない
地震に対する揺れ具合は、1階より2階の方が激しいため、2階以上に重いものを配置すると、建物の重心が上がります。その結果、建物全体の揺れが激しくなるため気をつけましょう。
2階にLDKを配置するような間取りの場合、洗濯機や冷蔵庫などの生活家電を2階に配置することになります。その他にも、ピアノや重たい屋根瓦も要注意です。
重心を極力下げて、揺れが激しくならないように注意しましょう。
注意点②:家を建てる地盤も確認しておく
建物自体の強度はもちろんですが、その前提として、家を建てる地盤にも注意が必要です。
地震に強い家づくりは、地盤の改良から着手するのが鉄則。
- 液状化現象が起きるような土地でないか
- 固い地盤までの距離・深さはどれくらいなのか
- 表層の改良工事だけで済みそうなのか
地盤の調査をおこなった上で、地盤の強度に応じた地盤改良が必要不可欠です。場合によっては大掛かりな地盤改良工事が必要なこともあり、想定外に家づくりの予算が上がってしまう可能性もあります。
間取りを検討する前に、地盤の強度を確認しましょう。
注意点③:窓の割合を増やしすぎない
窓の割合が多いのは、壁の割合が少ないことに等しく、耐震性を低くする要因になりかねません。
採光や見晴らしをよくするために、窓の割合を増やしたい気持ちはよくわかります。しかし、ガラス窓では大地震の揺れに耐えきれず、窓の損壊に留まらず、建物の柱にヒビが入るなどの可能性も。
住まいの耐震性を考える際は、重心(建物の重さの中心)と剛心(建物の強度の中心)が近くなる設計が重要です。
南側に窓が偏り過ぎるなどすると、剛心は北側に移動するため、間取りの打ち合わせをする際は、重心と剛心の位置も意識しておくとよいでしょう。
注意点④:平屋でも地震に弱い間取りがある
平屋建ては重心が低く、正方形な家づくりをするのが一般的なため、地震に強い印象があるかもしれません。
しかし今まで紹介したように、窓の割合が多いまたは一方向に集中したり、広い空間を確保するために壁の枚数を減らしたりすると、地震に弱い間取りになってしまいます。
平屋の場合はとくに家の中央に採光を取り入れるのが難しく、南面の窓が多くなりがちです。加えて、南側に広々としたLDKを配置すると、総じて南側の耐震強度に不安が残ります。
耐震性に関して建築士も当然理解していますが、平屋の家づくりを検討される方は、耐震性を考えると難しい間取りも存在することを理解しておきましょう。
【関連記事】平屋をおしゃれにするポイント5つ!失敗しない間取りや実例もご紹介
地震に強い間取りを調べる方法
地震に強い間取りを調べる方法は、大きく分けて以下の3パターンがあります。
- 耐震等級
- 構造計算
- 直下率
方法①:耐震等級
家づくりの際は、平成12年から実施されている「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、耐震等級の3段階評価がおこなわれます。
1等級 | 建築基準法に定められた最低限の耐震性能 |
2等級 | 1等級の1.25倍の耐震性能 |
3等級 | 1等級の1.5倍の耐震性能 |
3等級を獲得する耐震性能が、最も地震に強いといえるのです。ハウスメーカーや工務店を比較する際は、耐震等級を確認しましょう。
アサヒグローバルホームの耐震等級は、最高評価の3等級を獲得しています。詳細はこちらからご覧ください。
※間取りによっては3等級を確保できない場合もございます。
方法②:構造計算
構造計算とは、建物自体の重さや家具を設置したときの重さなどによって、建物がどのように変形し、負荷がかかるのかを計算して建物の安全性を確かめる計算です。
一般的な木造2階建て家屋の場合、先ほどの「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく性能表示計算をすればよいこととなっており、必須ではありません。
方法③:直下率
「直下率」とは、1階と2階の柱または壁の位置が揃う割合です。上下階で柱や壁が一致する割合が高いほど、耐震性に優れた地震に強い家と判断できます。
直下率が極めて低いと、耐震性が低くなるといわざるを得ません。一般的に、柱の直下率は50%以上が目安とされています。
さらに、「通し柱」と呼ばれる上下階をつなぐ1本の柱が多く使われると、建物の耐震性はさらに高まるでしょう。
まとめ
本記事では、地震に強い間取りについて紹介しました。
- 正方形に近いシンプルな間取りがおすすめ
- 2階以上に重いものは配置しない
- 窓の割合に気を付ける
- 壁を抜いた広い空間にも気を付ける
間取りや設計図を形にするのは建築士などのプロに任せるべきですが、地震に強い間取りかどうか、ご自身である程度判断できるように知識を備えておきましょう。
理想の住まいに長く住み続けるには、地震に強い家づくりが必須です。本記事を参考に、後悔しない家づくりを進めましょう。
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アサヒグローバルホームは地震に強く、揺れの少ない家を建てるための技術があります。
地震に強い間取りを作るための注意点
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注意点①:2階以上に重いものを配置しない
注意点②:家を建てる地盤も確認しておく
注意点③:窓の割合を増やしすぎない
注意点④:平屋でも地震に弱い間取りがある
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