公開:2024.10.16 更新:2024.11.11
地盤調査の方法は?必要な理由や費用相場・調査結果の見方を解説
地震に強く、長きにわたって安心して過ごせる家を建てる前提として、強固な地盤の土地であるかどうかが極めて重要です。
地盤の状態を調べる地盤調査は、家づくりにおいて欠かせない工程で、軟弱な地盤の場合には改良工事も必要になります。
この記事では、地盤調査が必要な理由や調査の方法、費用相場をまとめました。
地盤改良に用いられる方法や地盤調査の結果の見方、調査のタイミングなども解説しています。
地盤調査に関する疑問がある方や地震に強い家を建てたい方は、本記事の内容をぜひ参考にしてください。
目次
地盤調査が必要な理由
そもそも地盤調査とは、家を建てる前に、その土地が建築予定の建物の重さに耐えられるのかや、地盤の状態・強さなどを調査することです。
家の階数や使用する建材、構造などによって建物の重さは異なるため、建築する家のデザインや構造が決まった段階で地盤調査を行うのが一般的です。
法的には、建築基準法施行令の93条に「地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によつて、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない」と定められています。
つまり、地盤調査を実施することが法律で求められており、家づくりの際に地盤調査を行わないのは法律に違反してしまうのです。
地盤調査の方法
家づくりの際に行われる地盤調査の方法は、大きく分けて以下の2種類です
- ボーリング調査
- スウェーデン式サウンディング試験
なお、地盤調査の方法には「平板載荷試験」という方法もありますが、戸建住宅の建築で行われるケースはほとんどないため、説明を割愛します。
ボーリング調査
ボーリング調査は、地盤調査の方法としては最も基本的な手法です。
通常、約5m四方の土地に高さ5mほどのやぐらを組み、地中を10〜数10mほど掘り進めて地盤を調査します。
ボーリング調査によって、土質や地層の構成、地下水位の調査などが可能です。
なお、ボーリング調査は、マンションをはじめとする大きな建物を建築する際に用いられます。
戸建て住宅を建てる場合にボーリング調査を行うのは稀ですが、建築物の構造によってはボーリング調査を行うケースもあるでしょう。
スウェーデン式サウンディング試験
スウェーデン式サウンディング試験は、新築の戸建て住宅や建て替えの場合に行われる地盤調査として一般的な手法とされています。
SWS試験とも呼ばれるこの手法は、先端がスクリュー上になったロッドにおもりをつけながら回転させ、その回転数やおもりの重さから地盤の強度を調べるものです。
SWS試験の場合、建築予定地の四隅と中央の計5箇所を調査するのが一般的で、調査は半日ほどで終了します。
調査手法としては手軽である一方、深度が増すと精度が低くなることもあるため、施行技術者の知識や経験が求められます。
なお、地震に対する建物の強さは耐震等級で評価されており、最高水準は耐震等級3です。
耐震等級3の家づくりに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】耐震等級3は必要なのか?メリット・デメリット・耐震性能の高め方も解説
地盤調査の費用相場
地盤調査にかかる費用は、以下の金額が相場とされています。
- ボーリング調査:30万円前後
- スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験):5万円前後
SWS試験に比べてボーリング調査のほうが大々的かつ精密に調査を実施し、期間も長いことから、費用にも大きな開きがあります。
なお、地盤調査を実施する業者によって費用が大きく変動するケースは少ないものの、後述する地盤改良にかかる費用が大きく変動し得る点には注意が必要です。
地盤改良に用いられる方法
地盤調査の結果、建築予定の住宅を建てるのに必要な強度を保持する地盤にするための地盤改良が必要になることもあります。
地盤改良は、主に以下の3つの方法を取るケースが多いです。
- 表層改良工法
- 柱状改良工法
- 鋼管杭工法
地盤が強固である支持層が地表からどの程度の位置にあるかによって、上記のどの工法を採用するかが異なります。
なお、各地盤改良にかかる建築面積1坪あたりの費用相場は以下のとおりです。
- 表層改良工法:2〜3万円
- 柱状改良工法と鋼管杭工法:5万円前後
建築面積が広いほど地盤改良にかかる費用も上がり、大規模な地盤改良が必要になれば、200万円ほどの費用がかかることもあります。
注文住宅を建築する際は、地盤改良にかかる費用の見積もりも忘れないようにしましょう。
地震に強い家の特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】地震に強い家の特徴6選!建てる際の5つの注意点とよくある質問も解説
地盤調査に関するよくある質問
以下では、地盤調査に関するよくある質問について回答します。
- 調査結果の見方は?
- 地盤調査を行うタイミングは?
- 自分で業者を選ぶことはできる?
調査結果の見方は?
地盤調査の結果について、スウェーデン式サウンディング試験を例に、見る際のポイントをまとめました。
- 地盤の強さを25cmおきに示す「貫入深さ」の数値
- 盛土をしているかどうか
- 軟弱な地盤が地表から何mにわたってどの程度あるのか など
上記の項目は、地盤が軟弱または強固であるかを判断する際の指標にしやすいため、特に注目しておきましょう。
調査結果を自分たちで確認するのが難しい場合は、施行業者や工務店の担当者に結果を具体的に聞くようにしてください。
地盤調査を行うタイミングは?
地盤調査は建物を建てる前に行い、実際に建築する住宅のプランがある程度決まった段階で実施するのが一般的です。
地盤調査の実施時期に関しては、工務店の担当者等が主導して決めていくため、施主側で注意深く気にする必要はありません。
なお、建売住宅の場合は地盤調査を済ませていることがほとんどなので、購入を検討する際に地盤調査の結果を見せてもらい、地盤の状態を確認するのがおすすめです。
自分で業者を選ぶことはできる?
地盤調査を行う業者は、原則として自分で選ぶことはできません。
地盤調査は工務店に依頼するもので、地盤調査および地盤改良をセットで対応する提携業者が存在しているケースがほとんどです。
地盤調査に必要な建物の配置や重量といった情報が必要で、個人が地盤調査や改良業者に依頼することはほぼありません。
地震に強い家づくりならアサヒグローバルホーム
アサヒグローバルホームでは、「耐震+制震」技術を取り入れ、複数回の地震に耐えられる、地震に強い家づくりをしています。
在来工法(木造軸組工法)とツーバイフォー工法のいいとこどりをした「木造軸組パネル工法」により、縦揺れだけでなく横揺れにも対応。
特殊な耐力壁で構造体を補強するため、地震の揺れを面で支えられます。
さらに、制震ダンパーの「MIRAIE」により、複数回の地震が起きた際も、最大で95%の揺れを低減できます。
以下の動画では、能登半島地震で被災した方にインタビューをしているので、地震に強い家づくりをしたい方はぜひご覧ください。
地震に強い家づくりが可能な当社の施工事例
ここでは、地震に強い家づくりが可能な当社の施工事例を2つ紹介します。
- お子さまが思いっきり遊び回れるガレージハウス
- 深みのある色が落ち着きをもたらすガレージの家
事例①:お子さまが思いっきり遊び回れるガレージハウス
こちらのお家では、25帖の広々したビルトインガレージを採用。
車2台を駐車しても余裕があり、ガレージの内部はOSBボードを取り付け、DIYも可能なお気に入りの空間になりました。
ラップサイディングの外壁と窓の位置を揃えた透明ガラスは、カリフォルニアテイストの演出にピッタリ。
ガラスから溢れる光により、日中と夕方でお家の表情はガラッと変わります。
事例②:深みのある色が落ち着きをもたらすガレージの家
こちらのお家では、土地の形状を活かして建物の前面にガレージを設けました。
バイクを収納・管理しつつ、お子さまがトランポリンをして遊んだり、家族でバーベキューをしたりして楽しむ空間となっています。
ガレージから玄関に抜ける扉を設けて、雨が降った際もスムーズに移動できる動線を確保しているのもポイントです。
ご紹介した施工事例はビルドインガレージを採用しております。
ビルドインガレージのような大きな開口のある空間は、耐震性が下がると言われます。
アサヒグローバルの家づくりでは耐震等級3(最高等級)を獲得しており、こだわりの間取りが実現します。
【関連記事】アサヒグローバルの家づくり>耐震性
まとめ:地盤調査は家づくりに欠かせない工程
地盤調査の実施は法律に定められており、建築する住宅のプランがある程度決まった段階で実施するのが一般的です。
地盤調査の方法は大きく2種類あり、戸建住宅で行われる手法がスウェーデン式サウンディング試験と言います。
業者による地盤調査にかかる費用の差はほとんどありませんが、地盤改良の費用が予想外にかかる可能性もある点には注意が必要です。
本記事の内容を踏まえて、地盤調査の概要を正しく理解し、地震に強い家づくりを進めていきましょう。
アサヒグローバルホームでは、ガレージの家やECO家事の家など、さまざまな商品をご用意しています。
詳細が気になる方は、ラインナップページをご覧ください。
なお、当社では10月から新たなキャンペーン「建て替え応援 南海トラフ地震に備える家づくり」を実施しています。
詳細は「地震に強いキャンペーン」ページをご確認ください。
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