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公開:2022.11.04   更新:2024.07.22

地震に強い家の特徴6選!建てる際の5つの注意点とよくある質問も解説

LDK

日本は地震大国とも呼ばれており、家づくりにおいて、地震に対する備えが欠かせません。ただ、地震に強い家の特徴が何であるか、具体的に理解できている人はあまりいないのではないでしょうか。

この記事では、地震に強い家の6つの特徴と、建築時の5つの注意点について詳しく解説しています。

木造と鉄骨はどちらにすべきか、間取りはどうすべきかなど、地震に強い家づくりの際に抱きがちな疑問にも回答しているので、家づくりの参考にしてみてください。

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地震に強い家の特徴6選

外観

地震に強い家の特徴は、大きく分けて以下の6つが挙げられます。

  1. 正方形or長方形
  2. 平屋
  3. 地盤が強い
  4. 耐震・制振・免震構造
  5. 屋根が軽量である
  6. 定期的にメンテナンスされている

 

特徴①:正方形or長方形

地震に強い家の特徴として、上空から見た時、家の形が正方形または長方形になっている点があります。

なぜなら、地震が起きた際、家を構成している6つの面のすべてが一体となって、揺れに耐えようとするからです。

逆に、L字型の家や、2階の一部分が1階よりも飛び出している特徴的な構造の家などは、どこか一点に揺れのエネルギーが集中しやすくなります。そのため、家にゆがみが発生しやすく、結果的に倒壊のリスクも高まるのです。

ポイントは、地震のエネルギーをいかに分散させるかです。地震が起きた際、建物を構成するすべてが一体となって揺れに対して踏ん張ろうとする構造が重要で、正方形または長方形のシンプルな構造であるほど、揺れに耐えやすくなります。

地震に強い家の形に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。

【関連記事】地震に強い家の形とは?3つの特徴とポイント、おすすめの構造を解説

 

特徴②:平屋

2階建てや3階建ての家よりも、平屋のほうが地震に強いとされています。

なぜなら、建物に高さがない分、複層階の建物に比べて地震がもたらす揺れが少なく、同じ規模の地震が発生してもダメージを比較的小さくできるからです。

先述したとおり、平屋の多くは正方形や長方形などのシンプルな間取りが多いので、この点においても耐震性が高い傾向にあります。

 

特徴③:地盤が強い

地震に強い家づくりをするには、前提として地盤の強さも重要です。

平成12年以降、家を建築する際には地盤調査が義務化されています。ただし、具体的に家の間取りや建てる位置がある程度決まらないと調査内容も確定しないため、地盤調査は土地の購入後、建築前に行われるのが一般的です。

土地の購入前に地盤調査をする場合、有料となる場合がほとんどなので気をつけてください。

地盤調査の結果、軟弱な地盤であることが判明した場合には、以下のような工事が必要です。

  • 表層改良工法:深さ2mほどの土を掘って固化剤と土を攪拌する
  • 柱状改良工法:コンクリートの柱を注入して地盤を強くする
  • 鋼管杭工法:鋼管の柱を注入して地盤を強くする


どの工事が最適かは、地盤の性質によって異なります。また、建築面積などによって費用も上下するので、土地を購入する際にはしっかりと下調べをしておきましょう。

 

特徴④:耐震・制振・免震構造

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地震に強い家の特徴として、「耐震・制振・免震構造が施された家」という点が挙げられます。

耐震・制震・免震技術は年月を経るにしたがって進化を続けているので、築年数の浅い家に施された構造ほど、地震に強いと考えてよいでしょう。以下、それぞれの構造について解説します。

 

耐震構造

耐震構造とは、大きな地震の揺れにも耐えられるように建物の構造を強化することです。

たとえば、従来の木造建築物は、柱と梁を縦横2方向に組み合わせるだけのものでしたが、柱を筋交いにつなぐ建材の使用によって、横揺れに強い構造になります。

また、ツーバイフォー住宅と呼ばれる耐震住宅は、柱を使わない工法であり、頑丈な壁を組み合わせることによって、建物全体の耐震性を高めるものです。

現在の日本で建築される戸建て住宅は、このような耐震構造になっています。

 

制振構造

制振構造とは、地震の揺れを吸収する装置が壁の内部などに備えられている住宅構造のことです。そのような装置を「ダンパー」と呼びます。

揺れによって建物に生じた歪みをダンパーが吸収するため、強い地震が起きたときにも家の倒壊リスクを下げるだけでなく、家を構成するさまざまな部分の損傷を最小限に抑えられます。

優れた制振構造を施された家に住んでいる方は、大きな地震が起きても、実際より小さな揺れしか感じません。これにより、地震の揺れに対する恐怖感を軽減できるのもメリットの一つです。

制振構造は、建物にかかる負荷を軽減する意味で耐震構造より効果的で、免震構造よりも低コストで実現できます。

制震ダンパーについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

【関連記事】制震ダンパーとは?効果や種類、導入するメリット・デメリットを解説

 

免震構造

免震構造とは、建物の基礎のうえに直接据え付けるのではなく、建物の底と基礎との間に免震装置を挟む住宅構造のことです。

免震装置はダンパーや積層ゴムの部材であり、地震が起きた際には揺れを吸収するので、建物に揺れを伝えません。

そもそも家自体が地面から断絶されているため、大きな地震でも居住者が体感する揺れはかなり少なく抑えられます。

3つのなかでは最も安全な構造ですが、その分コストは高く、タワーマンションなどの高級集合住宅で採用されることが多いです。

 

特徴⑤:屋根が軽量である

屋根が軽量であるのも、地震に強い家の特徴として挙げられます。

屋根は建物の最上部にあるため、高い位置の重量が重くなればなるほど、地震による揺れが大きくなります。振り子のように、先端部分の重さが増すほど振れ幅が大きくなるのと同じ原理です。

従来の瓦葺の屋根よりも、ガルバリウム鋼板などの軽量な素材を使うことで、地震の揺れの軽減につなげられます。

 

特徴⑥:定期的にメンテナンスされている

定期的にメンテナンスされているかどうかも、地震に強い家に共通する特徴として挙げられます。

建築してから何もしなければ、築年数が長くなるほど耐震性が下がるのは当然です。一方、経年劣化は定期的なメンテナンスによって改善できることも多いです。

5年・10年単位で定期的に耐震診断が行われており、その都度必要なメンテナンスがなされている建物なら、地震に対する強度がしっかりと保たれている可能性が高いと言えます。

建築時に耐震性が高い設計になっていても、メンテナンスがしっかりと行われていなければ、経年劣化による災害時の被害が大きくなる可能性もあるため注意が必要です。

 

地震に強い家が必要な2つの理由

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地震に強い家が求められる理由は、大きく分けて以下の2点です。

  1. 巨大地震で被害が出ている
  2. 建築基準法(耐震基準)に適している必要がある

 

理由①:巨大地震で被害が出ている

日本では、いつ、どこで巨大地震が起きるか分からず、自分や家族の大切な命を守るには、地震に強い家が欠かせません。

世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割は日本で発生していると言われており、日本で暮らす以上は、巨大地震のリスクと向き合わざるを得ません。

能登半島沖で発生した地震においても、築年数の長い住宅の多くが倒壊しており、これから家を建てる際は、耐震性の高さは重要な要素と言えるでしょう。

 

理由②:建築基準法(耐震基準)に適している必要がある

そもそも、日本の建物は建築基準法が求める耐震基準を満たす必要があります。

耐震基準は1950年に設けられましたが、その後いくつもの巨大地震を経て基準が強化されました。

現在の耐震基準は、1995年の阪神淡路大震災を機に見直されたもので、震度6強から7の揺れでも倒壊しない強度が求められています。この基準を満たす必要があるため、居住者が地震を意識するしないにかかわらず、これから建築される建物は、すべて耐震性に優れたものでなければなりません。

過去の震災において、現在の耐震基準で建てられた家屋のほとんどは全壊しませんでした。このことからも、耐震基準を満たすことには大きな意味があることがわかります。

 

地震に強い家を建てるときの注意点5選

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地震に強い家づくりをする際は、以下の点に気をつけましょう。

  1. ビルトインガレージ
  2. 大きな吹き抜け
  3. 後からの増改築
  4. 地盤の柔らかい場所
  5. 窓の数・大きさ

 

注意点①:ビルトインガレージ

ビルトインガレージとは、1階部分に駐車場となる空間を設けた建物のことです。駐車スペースを作ったうえに、2階の出っ張った床部分があるという構造になります。

都市部を中心とした狭小住宅の場合、土地を有効活用できるため人気があるものの、耐震性の観点では注意が必要です。

なぜなら、1階の道路側に壁がほとんどなく、強い揺れが起きたときに建物全体が耐えられない可能性があるからです。

ビルトインガレージを採用する際は、ある程度のコストをかけて一般的な住宅より強度を確保できる構造設計にするか、重量鉄骨工法などを検討するとよいでしょう。

 

注意点②:大きな吹き抜け

玄関やリビングが吹き抜けになっている家も、地震が起きた際に家を支える柱や壁の量が少ないため、耐震性には不安が残ります。

重量鉄骨や鉄筋コンクリート住宅でなければ、耐力壁を作るなどの耐震設計をしっかりと考えておきましょう。

また、吹き抜けを作ると光熱費が高くなったり、2階のスペースが減ってしまったりするなどの問題もあるので、導入にはさまざまな観点から検討する必要があります。

 

注意点③:後からの増改築

建物を建築した後の話ですが、増改築によって家の形がL字型やコの字型になると、境界の部分から建物が損壊する恐れがあります。もともと平屋だった家を二階建てに改築する場合も、耐震性は弱くなるので気をつけてください。

もともとの住宅の部分と新しく増改築した部分の耐震強度が異なると、地震が起きた際、家屋全体のバランスが崩れてしまいます。

増改築をする際は、もともとの構造をしっかり確認したうえで、増改築部分の壁を増やしたり、柱で補強したりするといった耐震性を高める工夫が欠かせません。

 

注意点④:地盤の柔らかい場所

家の耐震性がどれだけ優れていても、地盤が柔らかいと、倒壊するリスクは高まってしまいます。

先述した特徴でも触れたように、地盤の強さを含めて土地探しをすることが、地震に強い家づくりに欠かせません。

地盤強化の費用も千差万別なので、土地探しを含めてマイホームを検討する際は、地盤強化の費用も含めたトータルで予算を考えておくことが大切です。

 

注意点⑤:窓の数・大きさ

窓の数が多かったり、窓のサイズが大きかったりする家も、地震に対する強さとしては不安が残ります。

なぜなら、窓の面積が多くなる分、壁の面積は少なくなり、地震による揺れを支える要素が減ってしまうからです。

景観のよさを活かして、建物の一面の過半数を占めるような大きな窓を設けることもありますが、このような家は地震に弱いと言わざるを得ません。

家づくりにおいては、耐震性能と快適な居住空間のバランスをとることが大切です。

 

地震に強い家づくりでよくある質問

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ここでは、地震に強い家づくりの際によくある質問について回答しています。家づくりに関する不安を減らして、理想の住まいをより具体化させましょう。

 

質問①:木造と鉄骨はどちらがよいの?

結論として、どちらも地震に強い家を建てることができます。

建物には法律上の耐用年数が定められており、木造よりも鉄骨造のほうが長いです。ただ、古来の建築物はいずれも木造であり、建て方次第で頑丈な家づくりは実現できます。

そもそも、木材には特有のしなやかさと、乾燥するほど強度が増すという特徴があり、地震の揺れを逃しやすいです。また、鉄骨住宅に比べて木造住宅のほうが軽量なので、建物の大きさが同じであれば、木造住宅のほうが揺れ自体が小さく済むという特徴もあります。

木造住宅が地震に強い理由や木造住宅の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】木造住宅の家が地震に強い4つの特徴やメリット・デメリットを徹底解説

 

質問②:地震に強い間取りは?

地震に強い間取りにするなら、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 長方形よりも正方形に近い間取りにする
  • 部屋の数は多くする
  • 開放感のある空間は慎重に検討する


正方形に近い間取りにすることで、どの方向からの揺れに対しても耐えやすくなります。また、部屋の数が増えるほど、壁や梁、柱が増えるため、耐震性の向上につながるのです。

先述したように、吹き抜けや大きな窓の設置は快適な住空間の実現において優先したくなりますが、耐震性を考えるうえでは慎重に検討しましょう。

地震に強い間取りについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】地震に強い間取りの特徴2選!注意点などをわかりやすく解説

 

質問③:耐震等級って何ですか?

そもそも、耐震等級は平成12年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく評価の仕組みです。

耐震等級には以下の3段階があります。

  1. 1等級:建築基準法に定められた最低限の耐震性能
  2. 2等級:1等級の1.25倍の耐震性能
  3. 3等級:1等級の1.5倍の耐震性能


なお、「建築基準法に定められた最低限の耐震性能」というのは、先述した震度6強から7程度の地震に耐え得る強度です。そのため、
2等級や3等級の住宅であれば、より安心して暮らせる、地震に強い家であるといえます。

 

地震に強い家づくりならアサヒグローバルホーム

玄関

アサヒグローバルホームでは、耐震等級3を獲得する、地震に強い家づくりをしています。制震ダンパーの導入や基礎、工法にこだわり、長期にわたって安心して住み続けられる住宅を実現しました。

ここでは、当社で家づくりをしたお客様の声を紹介します。家づくりでのこだわりについて聞いているので、家づくりの参考にしてみてください。


アドバイザー
アドバイザー
家づくりでこだわったことはどこですか?

オーナー様
オーナー様
キッチンから料理をしているときに、リビングが見渡せることと、リビング階段にしたいのは絶対条件でした。そのうえでプランを見せてもらいながら、希望を整理していって理想の間取りを実現できました。他社にも相談しましたが、アサヒグローバルホームは制震装置などの性能面でも標準仕様のレベルが高いのに、ローコストで設計の自由度も高かったのが本当によかったです。
アドバイザー
アドバイザー
どんな家を建てたいと思っていましたか?
オーナー様
オーナー様
コンパクトながら生活動線をしっかりと考えて、無駄なく効率のよい間取りにしたいと思っていました。キッチン前に設けたカウンターはこだわった箇所の一つで、家族とのコミュニケーションを取りやすい空間づくりを優先させています。家族で同じ時間を共有する間取りを実現できてよかったです。


当社の地震に強い家づくりへのこだわりは、
耐震性ページで詳しく紹介しています。また、施工事例ページには、当社が手がけたさまざまなお家を紹介しているので、間取りをイメージする際の参考にしてみてください。

 

まとめ:地震に強い家の特徴を踏まえて安心できる住まいを実現

外観

地震に強い家の特徴をおさらいしましょう。

  • 正方形or長方形
  • 平屋
  • 地盤が強い
  • 耐震・制振・免震構造
  • 屋根が軽量である
  • 定期的にメンテナンスされている


地震に強い家を建てる際は、以下の点に注意する必要があります。

  • ビルトインガレージ
  • 大きな吹き抜け
  • 後からの増改築
  • 地盤の柔らかい場所
  • 窓の数・大きさ


そもそも地盤の強い土地を選ぶことが重要で、そのうえで、シンプルな構造にしたほうが耐震性の観点では強度を担保できるでしょう。

当社では、お客様の理想の家づくりを実現できる、さまざまな商品を用意しています。ラインナップページでは、当社が提供する各種戸建て住宅を詳しくまとめているので、家づくりの参考にしてみてください。

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この記事の監修

髙田 司

髙田 司

役職取締役設計部長

保有資格一級建築士、耐震診断士、福祉住環境コーディネーター2級

2003年 東海工業専門学校卒業
現場監督、営業、積算、設計などマルチな経歴を持つ。
現在は住宅設計部の部長として、組織づくりなどのマネジメント、クレーム管理、特殊案件の実施設計を担当。また商品開発の一環でモデルハウスの建て替えや、購買部も兼任している。

# 構造・工法